オリオン座を語る。
オリオン座は代表的な冬の星座である。
明るい恒星も多いため、古くから知られており、トレミーの48星座に加えられている。
有名な星座であり、小学校の理科の教科書にも登場する。
トレミー48星座は、2世紀以来使われてきた。
18世紀に、その中のアルゴ座がラカイユによって分割された。
オリオン座を含む残りの47星座は、すべて現在の88星座に引き継がれている。
中央部には、3つの星が東西方向に並んでいる。
これを三ツ星という。
オリオン座の主な恒星
ベテルギウス(α)
ベテルギウスは赤色巨星である。
ベテルギウスは脈動変光星であるため、リゲルより明るくなるのは、極大期前後の期間に限られている。
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リゲル(β)
リゲルは、青白い高温星である。
ベテルギウスの極大期以外は、リゲルがオリオン座で最も明るい。
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オリオン座の主な星雲・星団
M42(オリオン座の大星雲)
M42の内部では恒星系が生まれつつあり、塵の円盤を伴った初期の恒星も発見されている。
誕生したばかりの散開星団もM42の内部に潜んでおり、その中の一つがトラペジウムと呼ばれる4重星だ。
トラペジウムは5等級程度だが、絶対等級は3.5等にも達する非常に明るい高温の星である。
トラペジウムの放射によって刺激を受け、M42全体が発光しているのである。
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M43
M43はM42の北側にある。
M42とM43はつながっているが、手前にガスがあるため分離して見える。
オリオン座分子雲の一部である。
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M78
1780年に、メシャンによって発見された。
オリオン座巨大分子雲の一部である。
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NGC1973
NGC1973はオリオン座の散光星雲(反射星雲)である。
M42のすぐ北側にある。
出典
APOD:Reflections on the 1970s
NGC1973は、 NGC1977、NGC1975と同一視野に見える。
これらは連続した星間塵であるが、前面の暗黒ガスによって3つに見えている。
左側がNGC1975、右側がNGC1973、NGC1977が下側である。
この写真の最下部にはM42、M43の北側が見えている。
NGC2024 / 火炎星雲
NGC2024はオリオン座ζ(ゼータ)星の東側にある散光星雲(輝線星雲)である。
出典
APOD:Flame Nebula Close-Up
オリオン座ζ(ゼータ)星の放つ強烈な紫外線を受けて、NGC2024を構成する水素ガスが電離し、再結合するときに発光する。
これがこの星雲の光である。
星間塵が手前を横切っているため、NGC2024が分割されたように見えるが実際は一体の星雲である。
900光年から1500光年の距離にある。
NGC2024はオリオン座巨大分子雲の一部となっている。
英語圏ではFlame Nebulaと呼ばれている。
しかし、火炎星雲、炎星雲、フレーム星雲などと訳語は一定していない。
オリオン座巨大分子雲
M42、M43を中心とする巨大なガスの分子雲をオリオン座巨大分子雲という。
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参考文献・サイト
Constellations
Star Tales
Chandra X-ray Observatory
BBC:Constellations
The Orion Cloud and Association
2008/05/04
2009/03/15