ブラックホールの大きさは?
ブラックホールは重力が強いので巨大なイメージがありますがそうではありません。理論的には小さな領域に物質が極限までギュウギュウに詰まればブラックホールになりえるのですから、サイズに制限はありません。いくらでも巨大なブラックホールはありえるし、逆にミクロサイズのブラックホールも想定可能です。
ただし、これらは理論上の話であって、この自然界に存在しているかどうかは別です。
ここからは自然界に実在するブラックホールの話をしましょう。 ブラックホールに近づきすぎると、もう引き返すことのできない限界があります。 これがシュバルツシルト半径です。シュバルツシルト半径を超えてブラックホールに入った宇宙船は、どんなに高性能であったとしても二度と出てくることはできません。
ブラックボールの大きさは、天体のサイズではなくシュバルツシルト半径で表現します。 太陽質量の8〜10倍以上の恒星は超新星爆発を経てブラックホールになります。 この場合のシュバルツシルト半径は30キロになります。
太陽の8〜10倍以上の質量でありながら、半径はたった30キロしかありません。 ブラックホールは意外と小さいことが分かります。
銀河の中心には巨大なブラックホールが潜んでいると考えられており、その質量は太陽の数百万倍です。このクラスのブラックホールになるとのシュバルツシルト半径はさすがに大きく300万キロメートルに及びます。
ところで太陽の半径が約70万キロメートルであることを考えると、銀河中心の超巨大ブラックホールのシュバルツシルト半径は太陽のたった約4倍にすぎません。ブラックホールがいかに小さいか、言い換えるとといかに狭い領域に物質が集中しているかが分かります。
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参考文献・サイト
福江純/著「カラー図解でわかる ブラックホール宇宙」ソフトバンククリエイティブ, 2009
「ブラックホールと超新星」ニュートンプレス,2010
2011/07/12
2015/06/06