ホワイトホールとは何?
アインシュタインが一般相対性理論で示した重力方程式の一つの解がブラックホールでした。重力方程式は複数の解を持ち、その中の一つにホワイトホールがあります。ブラックホールとは反対にホワイトホールは物質を吐き出す領域です。ブラックホールに物体が落ちていく様子をビデオで撮影し、逆に再生させます。すると、ブラックホールから物体が次々と排出されるように見えるでしょう。ホワイトホールはまさにこのような状態です。
ブラックホールの事象の地平面を超えて入ったものは絶対に外に出ることができません。これと反対に、事象の地平面を超えてホワイトホールに近づくことはできません。
ホワイトホールは数学的には存在していますが、実際の天体として宇宙に存在するかどうかは分かっていません。質量が狭い範囲に集中すればブラックホールになりますが、ホワイトホールがどのように作られるのかも分かりません。 以前、クエーサーがホワイトホールであるとする説がありましたが、現在は否定されています。
ブラックホールとホワイトホールは、繋がっているのでブラックホールから吸い込まれると遠い宇宙にあるホワイトホールから出てくるだろうという主張もあります。ブラックホールとホワイトホールをつなぐトンネルがワームホールです。
ワームホールは、理論上の存在としてアインシュタインとローゼンが協同で考案したため、アインシュタイン・ローゼン・ブリッジとも呼ばれています。ワームホールの名付け親はブラックホールと同じホイーラーです。ワームホールも数学上の存在であって実在に否定的な立場の研究者も多くいます。
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参考文献・サイト
福江純/著「カラー図解でわかる ブラックホール宇宙」ソフトバンククリエイティブ, 2009
「ブラックホールと超新星」ニュートンプレス,2010
2011/07/12
2015/06/06