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太陽がブラックホールなったら地球は吸い込まれる?

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太陽より30倍以上重い星は最後に超新星爆発を起こしブラックホールになりますが、太陽は重さが足りないのでブラックホールになれません。太陽は赤色巨星を経て白色矮星へ変貌しますが、それは50億年先のことです。したがって太陽が今すぐ消滅したり、ブラックホールになる心配はありませんので、どうぞご安心ください。



ここでは、もし太陽がブラックホールになったとしたらを考えましょう。太陽の質量であれば、半径3キロメートルの球内に太陽全体を押し込めばブラックホールになります。太陽の半径は地球の半径の109倍です。それをたった3キロメートルに押し込めるのですから、ブラックホールがいかに高密度かが分かります。



ここで、太陽が地球に及ぼす引力の大きさを見てみましょう。引力の大きさは、「太陽の質量」と「地球の質量」をかけ、「太陽-地球間の距離の二乗」で割り、万有引力定数をかけた値になります。



太陽を半径3キロメートルの球に押し込めれば、密度は非常に高くなりますが、重くなることはありません。単にサイズを小さくしただけのことです。太陽が今のままだとしても、ブラックホールになったとしても、引力を表す式の「太陽の質量」は変わりません。太陽が今の場所でブラックホールになるのですから「太陽-地球間の距離」も変わりません。結局、太陽がブラックホールになったとしても、式の値は変わらないので地球が受ける引力も今のままです。地球は今までのように、今までと同じ軌道で太陽(から変化したブラックホール)の周囲を1年で公転することになります。



「ブラックホールは引力が強すぎて、入り込んだら二度と出られないのでは?」と思った人もいるでしょう。二度と出られないのは、事象の地平面の内側の話です。太陽がブラックホールになった場合、事象の地平面は半径3キロメートルなので、地球で生活している限り、吸い込まれてしまう必要はありません。



太陽がブラックホールになった場合、吸い込まれるよりももっと深刻な事態になります。太陽から熱が来ないので地表はマイナス200度以下になり完全に凍結します。光が来ないので暗黒の世界になるでしょう。

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参考文献・サイト

福江純/著「カラー図解でわかる ブラックホール宇宙」ソフトバンククリエイティブ, 2009
「ブラックホールと超新星」ニュートンプレス,2010

2011/07/12
2015/06/06



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