インフレーション宇宙を語る。
インフレーション宇宙とは
宇宙はビッグバン以前に生まれていた
「宇宙はビッグバンで始まった」と多くの人が思っている。
これは誤解だ。
宇宙誕生直後、空間が急激に膨張した。
宇宙のサイズが、凄まじいスピードで大きくなったのだ。
この宇宙の急膨張をインフレーション宇宙という。
インフレーション宇宙を経て、宇宙はビッグバンに至るのだ。
量子のゆらぎによって宇宙が誕生してから、ビッグバンまで10-44秒間である。
インフレーション宇宙は、この間に起こっている。
インフレーション宇宙は、なぜ起こった?
真空は何もない空間と思われているが、実はエネルギーを持っている。
このエネルギーを真空エネルギーという。
宇宙は無の状態から量子のゆらぎによって誕生した。
誕生直後の宇宙は、極めて高エネルギーの状態であった。
この高エネルギーをもてあまし、宇宙は急激に膨張したのだ。
これがインフレーションだ。
宇宙の外側には何もない。
従って、この膨張は断熱膨張になる。
インフレーションによる急激な断熱膨張によって、宇宙の温度が下がり、高温相から低温相に変化した。
相が変化するときには、潜熱が放出される。
潜熱が宇宙の温度を上昇させ火の玉状態になった。
この現象がビッグバンである。
ビッグバンはインフレーションによって引き起こされたのである。
宇宙の問題とインフレーション宇宙
インフレーション宇宙の導入によって、次の問題が解決した。
宇宙の地平線問題
宇宙の平坦性問題
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参考文献・サイト
福江純「目からウロコの宇宙論入門」ミネルヴァ書房,2008
Wilkinson Microwave Anisotropy Probe
WMAP Bolsters Case for Cosmic Inflation
2009/01/26
2009/05/18