ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

カー・ブラックホールを語る。

トップページ宇宙論の目次ブラックホールの物理カー・ブラックホール

カー・ブラックホールとは

自転するブラックホール

カー・ブラックホールは自転するブラックホールである。
ブラックホールは狭い範囲に大量の質量が集中しているので、時空の歪みも大きくなる。
カー・ブラックホールの周囲の時空は、カー・ブラックホールに引きずられ、その周囲は時空の歪みが渦のようにブラックホールを取り巻いている。



静止限界

宇宙船がカー・ブラックホールに近づいていきくと仮定する。
この宇宙船はブラックホールからの重力を受けると同時に、時空の歪みの渦によっても横方向からの力を受けことになる。
横方向からの力によって、宇宙船はカー・ブラックホールの周囲を回転するので、同じ位置に留まりたいなら、反対方向にロケットを噴射しなくてはならないだろう。



さらに宇宙船がカー・ブラックホールに近づくと、時空の歪みの渦はさらに強くなる。
渦に逆らって静止するにはロケットの噴射をより強くしなくてはならない。



さらにカー・ブラックホールとの距離が縮まると、どんなにロケットを噴射しても、渦の勢いが強すぎて同じ場所にとどまれない限界に達する。
この限界を静止限界という。



エルゴ領域

静止限界の内部に入ると、時空の歪みの渦に押し流されて、宇宙船はカー・ブラックホールの周囲を回転してしまう。
しかし、事象の地平面より手前なのでブラックホールから離脱することは可能だ。
事象の地平面と静止限界に囲まれた範囲をエルゴ領域という。



カー・ブラックホールは回転しているので遠心力が働き、エルゴ領域は赤道で最も膨らみ、極点で事象の地平線と重なり合う。



内部地平面とリング状の特異点

カー・ブラックホールの内部構造はシュバルツシルト・ブラックホールと異なっていて、事象の地平面よりも内側に内部地平面がある。



事象の地平面の内側に入った物体は、ブラックホールの中心に向かって落ちていく。
内部地平面より内側に入ると大きな遠心力が働くため、物体は中心へ向かわずにクルクルと回転する。
ただし、内部地平面の外側にもどることは不可能だ。



シュバルツシルト・ブラックホールでは、点でしかなかった特異点が、カー・ブラックホールではリング状になっている。

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参考文献・サイト

大須賀 健 (著)「ゼロからわかるブラックホール」ブルーバックス、2011
福江純/著「カラー図解でわかる ブラックホール宇宙」ソフトバンククリエイティブ, 2009
「ブラックホールと超新星」ニュートンプレス,2010
http://www.nrao.edu/pr/2004/sagastar/
http://www.nrao.edu/whatisra/hist_jansky.shtml

2012/07/11
2015/06/07



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