ロケットエンジンを語る。
ロケットエンジンとは
ロケットエンジンとはエンジンの種類である。
後方から燃焼ガスを噴出し、その反動(反作用)で前進する。
空気の無い宇宙空間でも使用可能である。
燃焼の3要素
ロケットの話の前に、燃焼の3要素について確認しておこう。
モノが燃えるためには、次の3つが必要である。
- 可燃物(燃料)
- 酸素
- 熱
これが、燃焼の3要素だ。
どれか一つが欠けても燃焼は起こらない。
例えば木材は可燃物である。
木材が空気中にあっても燃え出さない。
熱(ライターの火など)を与えて初めて、燃焼が始まるのだ。
もし、可燃物と空気中の酸素の2つだけで燃えるのであれば、木造建築はすべて灰になっているはずだ。
実際には、ほとんどの木造建築が燃えずにいるのは、火気(熱)がないからである。
燃焼の3要素のうち、どれか一つを除去することで燃焼はストップする。
消火活動とは、3要素のどれかを除去することなのだ。
例えば、火に水をかけて消すのは、熱を除去したからである。
泡消火器は酸素を遮断し消火する。
可燃物がすべて燃えてしまえば、それ以上はもう燃えない。
ロケットは燃焼の三要素を利用して推進する。
ロケットエンジンとジェットエンジン
燃焼の3要素が明確になると、ロケットエンジンとジェットエンジンの違いが見えてくる。
ジェットエンジンは、燃焼に必要な酸素を外気から取り入れる。
これで燃料を酸素と混合し点火して燃焼させ、燃焼ガスを噴出させてその反動で進むのだ。
ジェットエンジンでは、宇宙に行けない。
宇宙には、空気がないので酸素が取り込めないからだ。
燃料とともに酸素も持参すれば、宇宙でも使えるジェットエンジンになる。
これがロケットエンジンなのだ。
なお、「持参する酸素」は、気体の酸素ではない。
液体酸素や、酸化作用を持つ物質が利用される。
これを酸化剤という。
ジェットエンジンは燃料が必要だが、ロケットエンジンは、燃料の他に酸化剤も必要なのである。
燃料と酸化剤を合わせて推進剤という。
ロケットエンジンは、宇宙空間専用ではない。
空気中でも使っていい。
打ち上げロケットや、ミサイルは空気中で使用するロケットである。
ロケットエンジンの推進剤
ロケットエンジンの燃料や酸化剤は、気体のままでは使用しない。
ロケット内の狭いスペースに燃料や酸化剤を格納するので、気体のままでは体積が大きすぎて多量に積めないのだ。
そこで、燃料や酸化剤は、液体または固体が利用される。
燃料と酸化剤の両方が液体の場合を液体燃料ロケットという。
両方が固体であれば、固体燃料ロケットだ。
一方が固体、他方が液体の場合はハイブリッドロケットという。
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参考文献・サイト
Welcome to the NASA's Guide to Hypersonics
World Book at NASA
2008/06/05