推力を語る。
推力とは
なぜロケットは上昇するのか?
静かな水面上のボートから石を投げると、ボートは反動で反対方向に少し進む。
石を連続して投げ続ければ、ボートは反動で進み続ける。
モノ(この場合は石)を放出すると、物体(この場合はボート)は反対方向に反動を受けるという性質があるのだ。
これは水面上でなくてもよい。
大砲が砲弾を発射すると、砲台が反動で後退する。
モノ(この場合は砲弾)が放出されたので、反動が生じたのだ。
砲弾を撃ち続ければ、砲台は反動で進み続けることができるのである。
膨らました風船の口を離すと空気が噴射し、風船が飛ぶ。
これも、勢いよく噴射する空気の反動で風船が飛ぶからだ。
風船の口から噴射する空気が周囲の空気を蹴り、その反発で風船が進むと考えている人がいるが、それは誤りだ。
あくまで、噴射の反動で進むのであって、周囲の空気による反発ではない。
ボートも、大砲も、風船も、モノを放出し反動を受ける。
モノを連続して放出し、反動を続ければ、いくらでも進むことができる。
物理の世界では、この反動を反作用と呼ぶ。
ロケットが飛ぶ原理も反作用だ。
ボートは石を、大砲は砲弾を、風船は空気を放出して反作用を得た。
ロケットは燃焼ガスを放出し、その反作用で進むのである。
反作用は宇宙空間や水中であっても作用する。
ロケットは噴射が周囲の空気と反発して進むのではないのだ。
ロケット工学では、反作用を推力と呼ぶ。
反作用が大きいほど、ロケットはより重い物体を上昇させることができる。
これを推力が大きいと表現する。
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参考文献・サイト
2010/02/16