有人火星ミッションを語る。
火星探査は人類の夢であり、古くからSF作品に取り上げられてきた。
人類の火星到達は遠い将来の夢物語のように考えられてきたが、ここにきて現実味が増している。
NASAを始め、各国の宇宙機関だけでなく民間企業までが火星への有人探査ミッションを計画し始めたのだ。
NASAの計画では2030年代に火星を周回する有人ミッションを実施する予定だ。
宇宙飛行士の適格年齢を考えると、初めて火星の大地を踏む人間は、すでに生まれて、この地上を歩いているはずである。
火星を目指すには様々な技術的な課題を解決しなくてはならない。
今まで、最も遠くまで行った有人ミッションはアポロ計画であるが、アポロ計画終了後、有人ミッションは地球低軌道に限られ、遠方に行くよりも地球の周囲の宇宙空間の活用が方針になったからだ。
アポロ計画の終了から30年が経過し、宇宙開発の目が再び地球低軌道を超えてその先を目指すようになった。
火星を目指すためには、今、国際宇宙ステーションへ往復しているソユーズロケットを増強すればいいのだろうか?
スペースシャトルを復活させてエンジンをパワーアップすればいいのだろうか?
残念ながら、いまの技術の延長では火星に人類がたどり着くことは不可能である。
例えば、火星への往復には2年半もかかる。
この間、複数の宇宙飛行士が小型のカプセル内に居続けることは現実的ではない。
ある程度の広さの居住空間が必要になるので、このようなモジュールを開発することが必要となる。
2年半のミッションに必要な酸素や水、燃料をすべて持って行くことも難しいだろう。
そのため火星の空気や土からこれらを生成する技術も必要になってくる。
宇宙飛行士に先立って必要な物資や資材を無人で送る場合の制御技術や、効率のよい推進システム、深宇宙での位置制御も必要になるだろう。
さらなる打ち上げ能力をもったロケットや、宇宙船も開発しなくてはならないし、長期の宇宙旅行が人体に与える影響を医学的に研究も必要だ。
これらの開発はすでに始まっており、その一部は試作機のテストもスタートしている。
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参考文献・サイト
2015/09/12