GIC/地磁気誘導電流を語る。
地磁気誘導電流とは
宇宙天気は、上空や宇宙空間の出来事のように思えるが、地上にも影響する。
磁気嵐の影響で、パイプラインや送電線に電流が誘導されるのである。
これを地磁気誘導電流、またはGIC[Geomagnetically induced currents]という。
地磁気誘導電流の性質
針金の近くで磁石を動かすと、針金に電流が流れる。
これを電磁誘導という。
電磁誘導は発電機の原理でもあるのだ。
針金をパイプラインや送電線、動く磁石を磁気嵐に置き換えても電磁誘導が起こる。
これがGICである。
磁気嵐は地上付近の磁場の変化である。
パイプラインや送電線は、この磁場中の置かれた非常に長い導体である。
このため、磁気嵐によってパイプラインや送電線に電磁誘導を起こるのだ。
送電線に過剰な電流が流れると、トランスにダメージが出る。
1989年にカナダでGICのため変電所がダウンし9時間の停電が発生した。
パイプラインは地中に埋められている。
土壌による腐食を防止するために、パイプラインは負に帯電させている。
ところが、GICによって負に帯電が乱されるので、腐食に対して不利になる。
送電線と違って、パイプラインは目立った障害にはならない。
しかし、GICで腐食が進みパイプラインの寿命は短くなってしまう。
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参考文献・サイト
2008/12/07