中国の宇宙センターを語る。
中国は3つの宇宙センター(ロケットを打ち上げる基地)を持つ。 これらの宇宙センターは中国国家航天局[CNSA]ではなく国務院中央軍事委員会の国防科学技術工業委員会が管理している。
宇宙センター | 所在地 | 緯度 | 設立年 |
酒泉(チウチュワン) | 甘粛省 | 北緯28度 | 1956年 |
西昌(シーチャン) | 四川省 | 北緯41度 | 1980年代初頭 |
太原(タイユワン) | 山西省 | 北緯37度 | 1988年 |
酒泉(チウチュワン)宇宙センター
中国は3つの宇宙センターの中で、最も歴史が古いのが酒泉(チウチュワン)宇宙センターだ。
酒泉宇宙センターは元々、中国人民解放軍の弾道ミサイルの打ち上げ実験基地として建設された経緯を持ち、当初は東風(ドンフ)センターと命名されていた。
軍事施設であるため、第20基地という番号も持つ。
中国初の人工衛星は酒泉宇宙センターから長征1(CZ-1)で打ち上げられたが、失敗に帰した。(1969年11月1日)
翌年4月24日、通信衛星「毛1号」の打ち上げに成功し、これが中国初の人工衛星となった。
西昌(シーチャン)宇宙センター
中国は3つの宇宙センターの中で、西昌宇宙センターだけが、静止軌道への打ち上げを担っている。
西昌宇宙センターが最も、緯度が低いからである。
軍事施設であるため、第27基地という番号も持つ。
西昌宇宙センターの稼動は、1984年1月29日の長征3型(CZ-3)による軍事通信衛星「同歩」の打ち上げに始まる。
通信衛星「東方紅」や海外の通信衛星(オーサットやオプタス)の打ち上げに立て続けに成功したが、1996年2月14日、長征3B型(CZ-3B)が大爆発事故を起こしたために、以後の打上げ時が中断した時期もあった。
太原(タイユワン)宇宙センター
中国は3つの宇宙センターの中で、太原(タイユワン)宇宙センターが最も小規模な施設である。
極軌道、低軌道への打ち上げが多い。
移動通信衛星イリジウムも打ち上げている。
軍事施設であるため、第25基地という番号も持つ。
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参考文献・サイト
JAXA:酒泉宇宙センター
JAXA:西昌宇宙センター
JAXA:太原宇宙センター
2011/03/21