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相対性理論のQ&A

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時間が伸びている証拠は?

宇宙を高速で飛び交う粒子を宇宙線といいます。宇宙線が地球の大気に突入すると空気中の原子と衝突してミューオンという素粒子を生み出します。このミューオンは非常に不安定で、誕生してから100万分の2秒ほどしか存在できません。



ミューオンは20キロメートルの高空で生まれるのですが、光速に近いスピードで走っても1キロメートルも進まずに消滅します。このため、地上でミューオンを観測できるはずがありません。ところが、実際には地上付近でミューオンが観測されます。ミューオンが光速に近いスピードで走るので、地上から見たミューオンの時間が伸びるからです。



カーナビが正確に動作するのも時間の伸び縮みと関係します。複数の人工衛星を利用して、地上での場所を正確に調べる米国のシステムがGPSです。元々は軍事用に開発されたものですが現在では民間にも開放されており、これを利用したサービスの一つがカーナビです。



カーナビは、まず自分のクルマのいる位置を人工衛星からの電波で知ります。 クルマは3つ以上の人工衛星からの電波を受け、その極めてわずかな時間の差から自分の位置を算出します。人工衛星は精密な時計を積んでおり、さらに時間の進みや遅れを補正します。



人工衛星は宇宙にいるので、重力の影響を地上ほど受けません。このため地上と比較して時間が少し速く進みます。一方で、人工衛星は高速で飛んでいます。このため、時間の進み方が少し遅れます。



地上では、電波が届くわずかな時間差で距離を割り出すので、これらの効果は無視できません。結局、小さい重力による時間の進みと高速による時間の遅れの差し引きで、GPS衛星の時間は地上よりわずかに速く進み、その量は1秒あたり100億分の4.45秒になります。(出典:図解雑学よくわかる相対性理論) この進み分をあらかじめ見越して、GPS衛星の時計を遅らしておくのです。



このほか、太陽系内を伝わる電波の遅れによっても、時間が伸びていることがわかります。水星や金星に向けて電波を放ち、地球に戻ってくるまでの時間を測定します。すると太陽の重力場の影響があるので、電波が戻る時間が数百ミリ秒ほど遅れます。 この現象は1964年にアーウィン・シャピロによって理論的に予測され、1967年ごろにMITのレーダーによって検証されました。このためシャピロ遅延と呼ばれています。

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参考文献・サイト

佐藤勝彦/監修「最新宇宙論」学研,2009
「ニュートン別冊 相対性理論」ニュートンプレス,1991
真貝寿明/著「タイムマシンと時空の科学」ナツメ社,2011
佐藤勝彦/著「相対性理論を楽しむ本」PHP文庫,2011

2012/08/02



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