相対性理論のQ&A
同時が同時でないことがあるの?(同時刻の相対性)
日常生活では、自分にとって同時に起こった出来事は、他人から見ても同時に起きます。このような当然の常識が、相対性理論の世界では、通用しなくなります。
光速度が一定であるため、自分にとって二つのことが同時に起こっても、他人から見ると同時ではないということがあり得ます。
光に近い速度で飛ぶロケットに乗っています。今、ロケットのちょうど中央から、前方と後方へ光を放ちました。
ロケットの中の宇宙飛行士からは、この光は同時に端と後端に到達したように見えます。
これを地上の管制官から見たらどうなるでしょう。
ロケットのちょうど中央から、前方と後方へ放たれた光は同じスピードで先端と後端に向かいます。
こうしている間にも、ロケットは前方へ進むので、光はまず後端に到達し、次に先端に到達するはずです。
宇宙飛行士にとって、光の前方への到達と後方への到達は同時に発生しました。 ところが管制官には、光の到達は同時ではありません。
二つの出来事が、同時かどうかは、観測する人の相対的な動きによって決まるのです。このような現象を同時刻の相対性といいます。
同時刻の相対性は、相対性理論の世界で起こる現象です。日常で経験することはできません。
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参考文献・サイト
佐藤勝彦/監修「最新宇宙論」学研,2009
「ニュートン別冊 相対性理論」ニュートンプレス,1991
真貝寿明/著「タイムマシンと時空の科学」ナツメ社,2011
佐藤勝彦/著「相対性理論を楽しむ本」PHP文庫,2011
2012/08/02