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相対性理論のQ&A

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宇宙が平坦だと何が問題なの?

宇宙論モデルには、開いた宇宙、閉じた宇宙、平坦な宇宙の3種類があり、実際の宇宙がこの中のどれであるのかは、宇宙の内部にある物質の量によって決まります。現在では、内部にある物質の量の観測から、宇宙は平坦である、または極めて平坦に近いと考えられています。



もし、宇宙の中の物質量が現在よりも多かったら、誕生直後の宇宙は自分の重力で潰れてしまったことでしょう。 これとは逆に現在よりも物質量が少なかったとしたら、膨張するスピードが速すぎて、銀河が生まれる時間が与えられることなく物質は拡散してしまったはずです。 このように宇宙の中の物質の量が少しでも違っていたら、現在の宇宙の姿はありませんでした。



今の宇宙の物質密度は、宇宙を形作るのに奇跡的にピッタリの量なのです。 これは偶然にしては、あまりに出来過ぎていると言えるでしょう。



宇宙の中の物質の量があまりに都合が良い値であり、なぜそうなったのかをビッグバン理論では説明できませんでした。 この難問を宇宙の平坦性問題といいます。



宇宙背景放射の発見によって、ビッグバン宇宙論が優勢になりましたが、反対派は宇宙の平坦性問題を解決できないことを理由に、ビッグバン理論を攻撃しました。 現在では、インフレーション理論によって、宇宙の平坦性問題は解決しています。



なお、宇宙は平坦に見えるだけであって、100%完全な平坦であるかどうかは分かりません。今後のより精密な観測によってわずかに開いている、または閉じていることが分かるかもしれません。

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参考文献・サイト

佐藤勝彦/監修「最新宇宙論」学研,2009
「ニュートン別冊 相対性理論」ニュートンプレス,1991
真貝寿明/著「タイムマシンと時空の科学」ナツメ社,2011
佐藤勝彦/著「相対性理論を楽しむ本」PHP文庫,2011

2012/08/02



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