相対性理論のQ&A
宇宙の年齢がどうして分かるの?
年輪は樹木の年齢を知るための目印です。宇宙にも年輪と同様な目印があれば、年齢を知ることができます。それがハッブル定数です。
ハッブルは銀河が遠ざかるスピードと銀河までの距離が比例することから、宇宙が膨張していることを突き止めました。宇宙が膨張しているなら、時間を逆にたどれば宇宙のすべてが一点から始まったことになります。今日では宇宙の始まりをビッグバンと呼んでおり、ビッグバンから現在までの時間が宇宙の年齢に相当します。
ハッブルが宇宙の膨張を発見したとき、銀河の後退速度と距離の比率をハッブル定数として定義しました。このハッブル定数の逆数が宇宙の年齢に相当します。
宇宙論の研究のためには宇宙の年齢を正しく見積らなくてはなりません。そのため、ハッブル定数を高い精度で測定する必要がありました。
ハッブル自身が求めたハッブル定数では宇宙の年齢は20億年程度になり、当時、放射性同位元素から求められた地球の年齢より短いことが問題とされました。 当時は、測定技術や天文学の知識が十分でなかったのでやむを得ないことだったのでしょうが、宇宙論の研究歴史は、正しいハッブル定数を決定する歴史でもあったのです。
宇宙論は抽象論の世界からスタートしましたが、今日ではいよいよ観測によって宇宙論を裏付ける時代になりました。
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参考文献・サイト
佐藤勝彦/監修「最新宇宙論」学研,2009
「ニュートン別冊 相対性理論」ニュートンプレス,1991
真貝寿明/著「タイムマシンと時空の科学」ナツメ社,2011
佐藤勝彦/著「相対性理論を楽しむ本」PHP文庫,2011
2012/08/02