相対性理論のQ&A
4つの力は宇宙の最初から存在したの?
この世界には、重力、電磁気力、強い力、弱い力の4種類の力があります。
重力は物体がお互いに引き合う力です。どんな物体でも重力を持ちますが、重力はあまりに弱いので身の回りの物体同士が接近し合うことを目撃することはありません。
ところが天体ほどの質量になると重力の働きは目に見えるようになります。物体が地面に向かって落下するのは地球の重力による影響であることはご存じのとおりです。
プラスの電荷とマイナスの電荷は引き合いますが、プラス同士、またはマイナス同士は反発します。このような電気的な力をクーロン力といます。
磁力もクーロン力に似ていて、N極とS極は引き合いますが、N極同士やS極同士は反発します。
クーロン力と磁力は別々の現象のように見えますが根源は同じ電磁気力で、あるときはクーロン力、別の場面では磁気力となって現れます。
原子核は複数の陽子と中性子を含んでいます。
陽子はプラスの電荷を帯びているので、互いにクーロン力で反発するはずですが、原子核がバラバラになってしまわないのはなぜでしょうか?
実は、原子核内部ではクーロン力よりもさらに強力な力が、陽子や中性子を拘束しているのです。
この力を強い力といいます。
陽子間の反発力を乗り越えて原子核をまとめるので、強い力は非常に強力ですが狭い範囲でしか作用しません。
少し大きめの原子核になると陽子間の反発力の方が勝るので、原子核は崩壊しやすくなります。いくらでも大きな原子核が存在しない理由がこれです。
原子核をベータ崩壊させる力を弱い力といいます。
これら4つの力は独立に存在するように見えますが、宇宙が生まれたときは1種類の力しか存在せず、宇宙の膨張に伴って4つの力へと分離していきました。
宇宙誕生から10-44秒後に重力が、10-36秒後に強いが分離しました。
その後10-11秒後に弱い力と電磁力が分離しました。
4つの力を統一して説明する超大統一理論が完成すれば、それは宇宙誕生の謎の解明が急激に進むかもしれないのです。
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参考文献・サイト
佐藤勝彦/監修「最新宇宙論」学研,2009
「ニュートン別冊 相対性理論」ニュートンプレス,1991
真貝寿明/著「タイムマシンと時空の科学」ナツメ社,2011
佐藤勝彦/著「相対性理論を楽しむ本」PHP文庫,2011
2012/08/02