火星の驚異—赤い惑星の謎にせまる
天文学の歴史の中で、火星は常に人々の想像をかきたててきました。
天体望遠鏡を通して見える表面の模様から、ある人は火星に繁殖する植物をイメージし、別の人は高度な知能を持った知的生命の存在を信じていました。
1965年、マリナー4号が史上初の火星探査に成功すると、火星が荒涼とした大地と希薄な大気に覆われた過酷な環境であることを分かりました。
火星は、運河も植物も知的生命も存在しない不毛の惑星だったのです。
人類は、地球に居ながらにして遠方の惑星からのデータを得るほどの技術を手にいれました。
それと引き換えに火星への夢を失ったのでした。
1970年代になると、火星での微生物探査を目的としたバイキング1号、2号が火星に送り込まれます。
ここでも決定的な証拠を得ることができませんでした。
しかし、それでも火星は人類の興味とロマンを引き付けてやみません。
21世紀になってから、多くの探査機が火星を訪れるようになりました。
人類が最も探査機を送り込んでいる惑星が火星です。
太古の火星に海があったこと、極地の1メートル地下には氷が大量に存在すること、火星大気中のメタンガスが季節によって変動することが解明されました。
このことから、かつて火星の海で生まれた微生物が、現在も極地で生存していると期待されています。
科学は時として人々の夢を打ち砕きます。
しかし、同時に新たな夢も与えてくれるものなのかもしれません。
目次
第1章 | 火星とはどんな星か |
第2章 | 火星の魅力にとりつかれた人たち |
第3章 | 火星の名所をたずねて |
第4章 | 火星四六億年の歴史をたどる |
第5章 | 謎を秘めた火星の衛星 |
第6章 | 火星に生命を求めて |
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2009/05/16