ブラックホールの種類と無毛定理を語る。
理論的モデルによるブラックホール分類
恒星質量、中間質量、巨大質量というカテゴリーは、質量によるブラックホールの分類である。
このような分け方以外にも理論的なモデルからブラックホールを分類することが可能だ。
恒星には明るさや組成、温度、大きさといった様々な特徴を持つ。
この恒星が重力崩壊によってブラックホールになるとき、これらの特徴の大部分は失われてしまい質量、角運動量、電荷の3つしか残らない。
ブラックホールは色や温度、表面の様子で特徴を表現することができないのだ。
ブラックホールには温度がないのだ。
ブラックホールの名付け親ジョン・ホイーラーは、公演の中で「ブラックホールは毛が三本」と表現した。
ブラックホールは三本の毛、つまり質量、角運動量、電荷によって4つのタイプに分類される。
ブラックホールの理論モデル | 質量 | 角運動量 | 電荷 |
シュバルツシルト・ブラックホール | ○ | × | × |
カー・ブラックホール | ○ | ○ | × |
カー=ニューマン・ブラックホール | ○ | ○ | ○ |
ライスナー・ノルドシュトルム・ブラックホール | ○ | × | ○ |
理論的に導かれるブラックホールは上記の4種類であるが、現実の宇宙に存在するのはシュバルツシルト・ブラックホールとカー・ブラックホールの二種だけと考えられている。
電荷を持つブラックホールは実在しないのだ。
なお、ブラックホールが質量、角運動量、電荷しか持たないという理論を無毛定理といいます。
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参考文献・サイト
福江純/著「カラー図解でわかる ブラックホール宇宙」ソフトバンククリエイティブ, 2009
「ブラックホールと超新星」ニュートンプレス,2010
Black Holes
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