ケスラー・シンドロームを語る。
ケスラー・シンドロームとは
スペースデブリ
人工衛星を打ち上げると、使用したロケットの破片も地球の周りを回るようになる。
これをスペースデブリという。「宇宙のゴミ」という意味だ。
寿命や失敗で機能しなくなった人工衛星もスペースデブリである。
スペースデブリ同士が衝突すると、残骸が飛散してさらにスペースデブリが増えていく。
人工衛星を打ち上げるたびにスペースデブリが増え、スペースデブリが増えると衝突の確率が高まって、さらにスペースデブリが増えてしまう。
なにしろ、スペースデブリ同士が衝突する確率は、スペースデブリが密度の2乗に比例して上昇するのだから、スペースデブリの増加スピードはウナギ登りだ。
やがて来るケスラー・シンドローム
これが繰り返されると地球の周囲はスペースデブリで覆われ、ロケットを打ち上げる方向がなくなってしまうのだ。
これをケスラー・シンドロームという。
1970年代にNASAのドナルド・ケスラー氏が提唱したことから、この名が付いた。
宇宙開発を続けると、宇宙開発ができなくなってしまうのである。
ケスラー・シンドロームを避けるために、スペースデブリを除去する技術の開発も急務である。
ケスラー・シンドロームの予兆
2009年2月には、史上初の人工衛星同士の衝突事故が起こった。
米国の衛星携帯電話用通信衛星イリジウム33号と、ロシアの偵察衛星コスモス2251号がシベリア上空で衝突した。
約600個のスペースデブリが発生したと考えられる。
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参考文献・サイト
ESA
NASA:Space Debris and Human Spacecraft
2015/09/08