ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

マーズ500を語る。

トップページ宇宙開発の目次有人火星ミッションマーズ500

マーズ500(MARS500)とは

地球上での疑似火星探査

火星探査には往復2年半の時間が必要だ。
この間、クルーたちは完全な閉鎖環境である宇宙船内で長期間を過ごさなくてはらない。
このような環境が人間の精神や身体にどのように影響するのかを調べるため、 地上の設備を使った仮想の有人火星探査ミッションがESAとロシア連邦宇宙局で実施された。これがMARS500だ。




ミッション

MARS500は地上でのシミュレーションでありながら、医療モジュール、住居モジュール、倉庫モジュールと火星着陸船から構成される本格的なものだ。
2010年6月3日、6名のクルーはロシア科学アカデミー生物医学問題研究所の施設内に設置された実験設備に入った(搭乗した?)。
250日かけて火星に向かう間、日時の経過とともに地球上の管制との通信に生じるタイムラグが大きくなっていく。火星軌道到着時は20分のタイムラグになる。
ミッション中のクルーの食事は、通常の宇宙食や実験設備内(宇宙船内?)で栽培した野菜だ。



火星周回軌道上に到達すると、3名のクルーが火星着陸船に移乗して火星の地表に向った。
2011年2月12日、史上初の火星着陸に成功し、2名のクルーが人類としての一歩を火星に刻み、1時間12分に渡って火星の地表を探査した。

ESAが公開した火星探査の様子
出典:YouTube First Mars500 'Marswalk' raw video





この場所は、火星の赤道近くに実在するグセフクレーター(直径150キロメートル)を想定している。
2004年1月に無人探査機スピリットが着陸したクレーターだ。



火星での探査後は、地球への帰還だ。
今度はだんだんと通信のタイムラグが小さくなっていく。
クルーたちの心も軽くなっていくことだろう。
人類初の偉業をなしとげた6名のクルーは、2011年11月4日、笑顔とともに地球に帰還した。



MARS500では、実際の火星ミッションで起こりそうな技術的なトラブルを100項目以上シミュレーションし、クルーによる対処も確認した。
長期のミッションが精神や身体に及ぼす影響を測定するため、脳波、血液が調査され、ホルモンのバランスや免疫、睡眠の質や心理状態が調査された。
ミッションの結果は将来の火星探査ミッションで計画に活用されると同時に、宇宙飛行士選抜の基準作りにも生かされる予定である。



なお、この実験に参加した宇宙飛行士たちは、一般からの応募者から選抜された、ロシア人3名、中国人1名、ヨーロッパ人2名である。
宇宙飛行士には調査協力費として約300万ルーブル(約530万円)が支払われた。


このページのTOPへ




スポンサーリンク

参考文献・サイト

Welcome back and thank you, Mars500
Walking on 'Mars'
Hatch closed: 18-month Mars500 mission has begun
Russian-European crew starts 'Mars mission'

2015/09/12



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト