中止された宇宙機を語る。
エルメス
エルメスはESAが計画していた欧州版スペースシャトルである。
1990年代に中止された。
アリアン5ロケットは、元々エルメスの打ち上げのために開発された。
ブラン
ブランはソビエトが計画していた再利用型宇宙往還機である。
ソ連版スペースシャトルとも呼ばれている。
「ブラン」とはブリザードの意味である。
1988年に無人でテスト飛行を行ったものの、ソビエト崩壊(1991年)とともに、計画が立ち消えになった。
ブランの原案は1968年に検討されていた。
ところがソビエト国防省は、この原案は却下した。
10年以上の後、スペースシャトルが実用化されたとき、共産党中央委員会はなぜ同様の計画が準備されていなかったのかと宇宙開発当局を責め、あわててブランの開発がスタートした。
HOPE-X
HOPE-Xは宇宙開発事業団、航空宇宙技術研究所が計画していた再利用型宇宙往還機である。
日本版スペースシャトルとも呼ばれている。
H-IIロケットで打ち上げる予定であった。
2000年8月に中止された。
HOPEとは、H-II Orbiting Planeの略である。
N-1ロケット
N-1は、ソビエトが計画した打ち上げロケットである。
日本のN-1ロケットとは名称が同じだが、まったくの別ものである。
米国のアポロに対抗し、月への有人飛行のために計画された。
試験機の打ち上げを4回実施したが、そのすべてが失敗した。
資金難と技術的な問題により、1974年に開発中止となった。
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参考文献・サイト
デイヴィッド・スコット(著), アレクセイ・レオーノフ(著), 奥沢駿(訳) ,鈴木律子(訳) 『アポロとソユーズ』ソニー・マガジンズ,2005
JAXA:宇宙科学の最前線
2009/02/16
2011/01/10