地球上のクレーターを語る。
月面は無数のクレーターで覆われている。
これらは小惑星や彗星など小天体の衝突によって生じたものだ。
月面を見ると、いかに多くの天体衝突が起こっているかが分かる。
地球と月は38万キロしか離れていない。
地球も月と同様の天体衝突にさらされているはずである。
地球には、月と異なり侵食や風化が多い。
さらに地質活動も活発である。
そのため、クレーターが残り難いのである。
しかし、地球に残っているクレーターも以外と多い。
現在までに、150個以上のクレーターが地球上で発見されている。
地下に埋もれていて未発見のクレーターも含めると総数は5000以上になるという予測もある。
地球上のクレーターの例
バリンジャー・クレーター
アリゾナ州にある直径約1.5キロメートル、深さ約170メートルのクレーターである。
約5万年前の隕石衝突によって形成された。
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チェサピーク湾クレーター
バージニア州にある直径約90キロメートルのクレーターである。
約3500万年前の隕石衝突によって形成された。
ポピガイ・クレーター
シベリア北部にある直径約100キロメートルのクレーターである。
約3500万年前の隕石衝突によって形成された。
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ゴッシズ・ブラフ・クレーター
オーストラリア中央部にある直径約175キロメートルのクレーターである。
白亜紀初期の隕石衝突によって形成された。
アリススプリングスの西、およそ175キロメートルにある。
ゴッシズ・ブラフ・クレーターは衝突でできたクレーターそのものではない。
衝突クレーターの表層約200メートルが侵食によって削り取られ、内部の構造がむき出しになったものである。
このため、周囲の崖が他のクレーターに比べて非常に急である。
マニクアガン・クレーター
カナダにある直径約100キロメートルのクレーターである。
2億1400万年前の隕石衝突によって形成された。
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フレデフォート・ドーム
南アフリカ共和国にある直径約190キロメートルのクレーターである。
約20億2300万年前の隕石衝突によって形成された。
地球上で確認されたクレーターとしては、最古であり、最大直径でもある。
世界遺産でもある。
ヘンバリー・クレーター群
13個のクレーターから構成されるクレーター群である。
アリススプリングスの南西、およそ120キロメートルにある。
ホートン・クレーター
カナダ北部のデボン島にあるクレーターである。
極域にある巨大クレーターとしては、おそらく唯一だろう。
2300万年〜3500万年前に直径2キロメートルの隕石が衝突してつくられた。
火星探査の模擬訓練や研究を行うための基地が建設されている。
この研究活動をホートン・マーズ・プログラム[HMP]という。
なお、デボン島は、世界最大の無人島である。
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参考文献・サイト
白尾元理「火山とクレーターを旅する」地人書館,2002
惑星地質ニュース:第1巻3号、Sept. 1989
Geological Survey of Canada
国立天文台・天文ニュース (120)
2008/09/26