小惑星を語る。
小惑星とは
現在まで30万個以上の小惑星が発見されているが、それらは、太陽系全体にまんべんなく分布しているのではない。
小惑星の大部分は火星と木星の間の軌道を回っているのである。
小惑星が多く分布している、火星と木星の間の領域をメインべルトという。
これに対し海王星の外側にも、小惑星がリング状に太陽を取り巻いている領域がある。
この領域をカイパーベルトという。
小惑星の特色
カイパーベルトに属する小惑星を特にカイパーベルト天体という。
メインべルトの小惑星とカイパーベルト天体は起源も特性も異なるが、おなじ小惑星というカテゴリーでくくられる場合が多い。
そのため、メインべルトとカイパーベルト天体を総称して小惑星帯という。
メインベルトの小惑星をすべて合体させたとしても、その質量は惑星のレベルに達しない。
このため、火星と木星の間にかつて存在した惑星が破壊され小惑星になったという説は成立しない。
太陽系の誕生の初期、惑星の素である微惑星が多数生成され、合体を繰り返して惑星へと成長した。
木星の引力のため、惑星へ成長できずに残ったものが今日のメインベルトの小惑星と考えられている。
小惑星は軌道によって、いくつかのグループに分類される。
小惑星のグループを「族」「群」と呼ぶ。
さらに、色・アルベド(反射能)・スペクトルによって小惑星を分類する方法もある。
この分類法では「族」「群」ではなく「型」になる
炭素質のC型、ケイ素質のS型、金属質のM型がある。
現在までに発見された小惑星の75%がC型である。
これら以外にも、A型、B型、D型・・・といったマイナーな型がある。
小惑星番号
小惑星が新たに発見され、軌道要素が確定すると小惑星センターに正式に登録される。
このとき、小惑星に与えられる一連の番号を小惑星番号という。
元々、小惑星番号はメインベルトの小惑星が対象であったが、カイパーベルト天体や準惑星にも与えられるようになった。
2006年、それまで太陽系第9惑星の地位にあった冥王星が、準惑星に分類された。
その直後、冥王星には小惑星番号134340が与えられた。
惑星の地位を失った途端、手のひらを返したような扱いに、諸行無常を禁じえない。
小惑星発見の歴史
チチウス・ボーデの法則は、惑星の並びを簡単な数式で表現した経験側である。
この法則によると、火星と木星の中間に惑星が存在することが予測されていた。
チチウス・ボーデの法則は、単なる経験側なので、あまり当てにされていなかった。
ところが、1781年に天王星がチチウス・ボーデの法則が予言する位置で発見されたため、火星と木星の間の惑星を探す活動が活発になった。
その結果、1801年1月1日にパレルモ天文台のピアジによってケレスが発見された。
ケレスはチチウス・ボーデの法則が予測したズバリの位置で発見されたため、何の疑いもなく新惑星であると認識された。
その後、この周辺に小型の天体が多数存在することが判明し、ケレスも通常の惑星に比較して小さいことが分かった。
そのため、この領域にある小型の天体を小惑星と呼ぶようになった。
なお、ケレスは最大の小惑星であり続けたが、2002年にカイパーベルトで発見されたクワオアーにナンバーワンの座を明け渡した。
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参考文献・サイト
Trans-Neptunian object
Kuiper Belt Page
2007/08/12