ケレス(セレス)を語る。
ケレスとは、どのような天体なのか
メインベルト最大の天体がケレス(セレス)だ。
セレスだけで、メインベルト天体の3分の1の質量を占める。
現在は準惑星に分類されている。
メインベルトで次に質量が大きい天体はパラスであるが、それでもケレスの5分の1である。
メインベルトの中では、ケレスはズバ抜けて大きいのだ。
ケレスの特色
小惑星は、「ゴツゴツとした不規則な形をしている岩のかたまり」とイメージされやすい。
ところがケレスは球形である。
ケレスの中心部には岩石質の核(コア)があり、その周囲を氷の層が取り巻いている。
表層はチリが積もった薄い層だ。
ケレスは小さいながらも惑星としてのナリはしているのである。この動画はNASAが公開したケレス探査時の映像だ。
出典:YouTube Fly Over Dwarf Planet Ceres
ケレス発見の歴史
ケレスは1801年1月1日にパレルモ天文台のピアジによって発見された。
この当時、チチウス・ボーデの法則に基づいて、火星と木星の間に未知の惑星が存在するはずだという認識が高まり、この新惑星を探す組織的な観測体制が発足していた。
ピアジはこれには加わっておらず、まったくの偶然によって新天体を発見したのである。
この天体はピアジによってケレスと命名された。
セレスはチチウス・ボーデの法則が予測したズバリの位置で発見されたことから、新惑星であると認識された。
ところが、この周辺に小型の天体が続々と発見されるようになり、ケレスがあまりにも小さいことが分かった。
このことから、この領域にある小型の天体を小惑星と呼ぶようになり、ケレスも惑星ではなく小惑星の一つとなった。
以後、ケレスは最大の小惑星であり続けたが、2002年に小惑星クワオアーがカイパーベルトで発見されたことで、ケレスは小惑星ナンバーワンの座を追われた。
ケレスは依然としてメインベルトで最大の小惑星であるが、もはや太陽系で最大の小惑星ではないのである。
2006年の惑星の定義制定にともない、準惑星に分類された。
なお、ケレスの名はローマ神話の女神ケレスに由来する。
58番元素セリウムは1803年に発見された。セリウムの名は、その直前に発見されたケレスにちなみ命名されている。
なお、46番元素パラジウムもパラスにちなみ命名されている。
ケレスの探査
2015年3月6日から小惑星探査機ドーンがケレスの周回軌道に入った。
なお、小惑星探査機ドーンは2011年から2012年にかけてベスタを周回探査した。
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参考文献・サイト
Largest Asteroid May Be 'Mini Planet' with Water Ice
Ceres Designated a 'Dwarf Planet'
Solar System Exploration:Neptune
A Texas-Sized Space Rock
2007/08/12
2008/09/02
2015/05/11