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海洋酸性化を語る。

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海洋酸性化とは

海水は、元々弱アルカリ性である。
近年、海水のアルカリ性の度合いが、さらに弱まってきている。
この現象を海洋酸性化という。



海洋酸性化と言っても、海水が酸性になってしまうのではない
アルカリ性の度合が弱まるので「酸性化」というのだ。



大気中に放出される二酸化炭素(CO2)の量が増加している。
その中の一部分は、海水へと溶け込んでいく。
この影響で、海水が酸性化するのである。



海洋酸性化のメカニズム

H+(水素イオン) が多く含まれている液体を酸性、OH-(水酸化物イオン)が多く含まれている液体をアルカリ性という。



酸性の溶液とアルカリ性の溶液を混ぜると、中和して水になる。
H+とOH-が反応してH2O(水)になるからである。
したがって、酸性であると同時にアルカリ性でもある溶液は存在しない。



含まれているH+(水素イオン)が多いほど、酸性の度合いは強い。
酸性、またはアルカリ性の度合いは、水素イオン指数pH(ピーエイチ、またはペーハー)で表現する。



通常、pHは0から14の間の値を取る。
pHの値が大きいほどアルカリ性が強く、値が小さいと酸性が強い。
中性の場合はpH=7である。



海水は弱いアルカリ性を示す。
つまり、海水のpHは7より大きいのだ。
現在、pH=約8.1の値である。



二酸化炭素が海水に溶け込むと水と反応する。
その結果、炭酸塩(CO32-)、炭酸水素塩(HCO3-)が生成され、H+(水素イオン)が余剰になる。
つまり、海水中のH+(水素イオン)が増えるのだ。



増えたH+(水素イオン)はOH-(水酸化物イオン)と反応して中和するので、海水のpH値が下がる(アルカリ性が弱くなる)ことになる。



海洋酸性化の影響

海洋生物の中には、炭酸カルシウムの殻を持つ種がいる。
酸性化が進むと炭酸カルシウムの殻を正常に発達させることができなくなる。
このため、種の存続が危ぶまれているのである。



例えば、プランクトンも炭酸カルシウムの殻を持つ。
プランクトンが海洋酸性化の影響で激減すれば、プランクトンをエサにする他の生物の存続も危険になる。
海洋酸性化は、海洋の生態系を世界的規模で破壊するほどの危険なのだ。


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参考文献・サイト

Pacific Science Association
NCAR:Report Warns about Carbon Dioxide Threats to Marine Life

2008/05/18
2015/05/22



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