マグマを語る。
マグマとは
地中は熱い。
マントルはコチコチの固体であるが、所々、地中の熱によってマントルが溶けている。
マントルが溶けたものをマグマという。
マントルは様々な鉱物から出来ている。
鉱物の種類によって、融点が異なるため、ある温度で溶けるものと溶けないものがある。
マグマはマントルが部分的に溶けたものなのだ。
マグマはマントルよりも密度が小さいため、マントルの隙間を見つけて上昇する。
やがて、地殻の中に集まり、マグマ溜まりとなる。
このマグマが地上に出たものが溶岩だ。
マグマと溶岩は本質的に同じである。
地下ではマグマ、地上では溶岩と呼んでいるのである。
すべてのマグマが噴火によって地上に出るのではない。
マグマの多くは、地上に出る前に冷えて固まってしまう。
マグマが固まってできた岩石が火成岩だ。
マントルは、かんらん岩であるが、それを構成している鉱物ごとに融点が異なる。
そのため、溶けやすい鉱物から先に溶けマグマとなる。
これが部分融解だ。
つまり、固体のマントルと、それから出来たマグマとでは、組成が異なるのである。
マントルは、かんらん岩であるが、出来たマグマは玄武岩質マグマなのである。
マグマ溜まりに留まった玄武岩質マグマは、徐々に冷却する。
このとき、ある温度まで下がったら全体が固化するのではない。
鉱物ごとに融点が違うため、ある温度で一部が固まってから、すべてが固まるまでには、温度がさらに500℃程度も下がる必要があるのだ。
この過程で結晶分化作用というメカニズムが機能する。
玄武岩質マグマが冷えていく過程で、融点の高い鉱物(固まりやすい鉱物)から晶出していく。
マグマの温度が高いうちは、融点の低い鉱物(溶けやすい鉱物)は、晶出できないからだ。
晶出した鉱物は、重いので、マグマの底へ沈んでいく。
マグマの一部が晶出した結果、残ったマグマの組成は最初とは異なったものに変化する。
融点の高い鉱物(固まりやすい鉱物)が、マグマから抜け出してしまったからだ。
さらに温度が下がると、次に融点の高い鉱物(次に固まりやすい鉱物)が晶出し、マグマの底へ沈んでいく。
この結果、残ったマグマの組成がまた変化したことになる。
このように、マグマの温度が下がるに従い、固まりやすい鉱物から順番に晶出し、残ったマグマの組成が次々に変化していくプロセスを結晶分化作用という。
マグマの組成が変化すれば、マグマの名称も変化する。
結晶分化作用が進むに従い、玄武岩質マグマ→安山岩質マグマ→流紋岩質マグマと名前が変るのだ。
具体的にはこうだ。
玄武岩質のマグマが、約1200℃まで冷却すると、かんらん石と斜長石(Caに富む斜長石)がトップバッターとして晶出する。
その結果、マグマのSiO2の重量%が増加する。
さらに温度が低下すると、輝石、角閃石、斜長石(Naに富む斜長石)がて晶出する。
マグマのSiO2の重量%が52%を超えると、安山岩質マグマに名前が変る。
またまた温度が低下すると、今度は黒雲母、カリ長石が晶出する。
マグマのSiO2の重量%がさらに増加して、名称も流紋岩質マグマとなる。
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参考文献・サイト
2008/05/29
2015/05/19