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地磁気と地磁気の3要素を語る。

トップページ地球科学の目次地球の内部構造地磁気と地磁気の3要素

地磁気とは

磁石の近くに方位磁針を置くと、方位磁針は磁石の方向を向く。
これは磁石と方位磁針の間に磁力が作用し引き合うからだ。



近くに磁石がなくても、方位磁針は北を指す。
これは、巨大な磁石のように地球自体が磁気を持ち、方位磁針の間に磁力が作用するからである。
地球が持つ磁気を地磁気という。



方位磁針のN極が北を指すので、地球の北極はS極に相当する。
北極はN極ではないのだ。





地磁気の3要素とは

地磁気は、方向と大きさを持つのでベクトル量である。
ベクトルは、始点・方向・大きさの三要素で決定される。

同様に地磁気は、偏角、伏角、全磁力で決定される。
偏角、伏角、全磁力を地磁気の3要素という。

ここでは、偏角伏角全磁力について解説する。




偏角

地球のS極は、北極点(北緯90度)にあるのではない。
北極点からずれたグリーンランドにある。
このため、方位磁針は真北(北極点)を向かない。



地磁石の極を地磁気極という。
北極側の地磁気極(地磁気のS極)を地磁気北極、南極側の地磁気極(地磁気のN極)を地磁気南極という。



方位磁針のN極は真北(北極点)ではなくグリーンランド(地磁気北極)を指しているのである。
北極点と地磁気北極の方向の違いを偏角という。



偏角は緯度によって異なる。
北海道で約9度、関東で約7度、沖縄で約4度である。
北に行くほど、偏角は大きくなる。




伏角

静止した方位磁針は水平を保っているので、地磁気は水平に作用しているように思える。
しかし、実際には地磁気は水平ではない。
地磁気は傾いた方向から作用しているのである。

地磁気の伏角
地磁気の伏角



地磁気の傾きを伏角という。
伏角も偏角と同様に緯度によって異なる。
北海道で約57度、関東で約49度、沖縄で約38度である。
北に行くほど、伏角も偏角も大きくなるのだ。



方位磁針は伏角を考慮して、S極側を重くしている。
S極側の重みは日本付近の伏角を前提にしているので、日本で売られている方位磁針は、南半球では使えない。



棒磁石の中心を糸で結びつるすと、N極が傾いた状態で北を指す。
この傾きが伏角である。





地磁気北極の真上では、伏角は90度になるはずだ。
ところが実際には、伏角は90度にならない。



伏角は90度になるポイントは地磁気北極とは別な場所にある。
この場所を磁北極という。
地球内部の構造の影響を受けているため、地磁気北極と磁北極、地磁気南極と磁南極はずれている。



全磁力

地磁気の大きさも場所によって異なる。
地磁気の大きさを全磁力という。



繰り返すが、地磁気はベクトルである。



地磁気の方向は伏角と偏角で決まる。
大きさは全磁力で決まる。
伏角と偏角と全磁力で地磁気のベクトル量が決定できる。



このことから伏角と偏角と全磁力を地磁気の3要素という。





地磁気はなぜ生じるのか?

地球は主に岩石でできている。
岩石の地球が磁気を持つのは非常に不思議なことだ。



地球の中心部は高温であり、そこでは鉄がドロドロに溶けている。
この液体の鉄が熱で対流することにより、電流が流れたときと同じ効果を発揮する。
このため、磁気が生じるでのある。



この原理をダイナモ効果という。
ダイナモとは発電機の意味だ。
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地磁気の逆転

方位磁石のNは常に北を向く。
このため、地磁気の方向は非常に安定しているように思えるが、実は違う。



おおよそ40万〜50万年の周期で、地磁気のS極とN極は入れ替わっている。
この現象を地磁気の逆転、または地磁気の反転という。



1回の反転に要する時間は数1000年だ。
ある日、朝起きたら、方位磁石のNが南を向いていたということは起こらない。



近年、地磁気が徐々に弱まってきていることが判っている。
過去100年間に地磁気は約10%も減少しているのだ。



地球の歴史の中で、地磁気の強さに変動は頻繁に起こっていた。
今日の地磁気の10%の減少も、そのような変動の一部だろうと思われている。
中には、「次の地磁気の逆転が始まったのではないか?」という人もいる。
真相は不明だが、5000年もすれば結果はわかるだろう。

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参考文献・サイト

地球惑星物理科学
NOAA:Geomagnetism
気象庁:地磁気観測所
国土地理院:地磁気測量

2008/03/28
2009/03/17



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