ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

史上最大級の超新星

ネタ元:Sience@NASA
原題:The Brightest Supernova Ever
出展のリリース日:07-05-07

桁外れに強烈な超新星が出現した。
2006年9月にNGC1260内で発見されたSN 2006gyがそれだ。


このSN 2006gyは、通常の超新星の100倍ほどのエネルギーを放出する。
エックス線天文衛星チャンドラは、SN 2006gyが放射するエックス線が通常の1000倍であることを検出している。



チャンドラがエックス線で撮影した画像
出展: Chandra X-ray Site

この写真は、チャンドラがエックス線で撮影した画像だ。
左側がNGC1260の中心核、右側がSN 2006gyである。
SN 2006gyは銀河の中心核と対等に渡り合えるのだ。


SN 2006gyは2億3000万光年以上の遠方にある。
この爆発は2億3000万前の出来事なのだ。


SN 2006gyの元となった恒星は、太陽質量の150倍の質量だったと予測される。
初期の世代の星はこのように大質量だったようだ。
SN 2006gyは、初期の世代の星がどのような最期を迎えるのかを、まざまざと見せ付けた極めて珍しいイベントなのである。


このような大質量の星の爆発は、通常の超新星爆発の理論では説明できない。
SN 2006gyは、従来の理論とは違ったメカニズムで起ったようだ。


恒星は自重で収縮しようとするが、同時に内部での核融合反応が星を膨張させようとする。
通常は、両者がバランスしているため星は一定のサイズを維持することができるのだ。


ところが核融合反応の燃料を使いきると、膨張させようとする作用が無くなるため、星は自重で収縮する。
このときの衝撃が、星の表面を吹き飛ばしてしまう。
これが超新星である。



SN 2006gy爆発のプロセス
出展: Chandra X-ray Site

しかし、あまりに巨大な質量の星になると、プロセスが違ってくる。 巨大質量の星は大量のガンマ線を放出するのだ。
このガンマ線のエネルギーの一部は粒子と反粒子のペアを生成して消失する。


エネルギーの消失が星の急激に収縮させ、これによって核融合反応が暴走して爆発する。
これがSN 2006gyのプロセスだ。


SN 2006gyは、爆発前に大量の質量を宇宙に放出したようだ。
りゅうこつ座のη星[Eta carinae]は太陽質量の100〜150倍と見積もられている。
りゅうこつ座のηもSN 2006gyと同様のプロセスで超新星爆発を起こすかもしれない。

このページのTOPへ




スポンサーリンク

参考文献・サイト

2009/05/16



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト