重力と引力の違いは?
引力とは
物体は、互いに引き合う。
これを万有引力という。
どんなものでも引き合う力を持っているので、「万有」と付く。
万有引力を略して引力と言っている。
地上の物体は、地球との間でも引力が作用する。
このため、物体は地球へ向かって落下する。
意外な感じではあるが、「物体が地球を引く引力」と「地球が物体を引く引力」の大きさは同じだ。
「地球の引力の方が大きい」という思いは誤りである。
地球と物体は、同じ大きさの引力で引き合っているのである。
地上の物体に比べて、地球は圧倒的に重い。
(「重い」と書いたが正確には「質量が大きい」が正しい)
そのため、同じ大きさの引力で引き合っても、地球は動かず、物体のみが地球に引き寄せられるのだ。
引力と遠心力で重力
地表付近の物体に作用する力は、引力だけではない。
地球は自転しているので、地表には遠心力が作用している。
地表付近の物体には、引力と同時に、遠心力も作用しているのだ。
地球は極地方よりも、赤道付近の方が、より速いスピードで自転する。
このため、赤道にかかる遠心力が最も大きい。
赤道では、遠心力が引力の効果を弱めるので、物体はわずかに軽くなるのである。
遠心力と引力を足し合わせた力(合力)を重力という。
極地方では、遠心力が弱いため重力は大きくなる。
物体が地球に落下するときの加速度を重力加速度という。
重力加速度は場所によって異なる。
地球内部の岩石の分布によって、質量のムラがある。
このため場所によって、引力が異なってくる。
その他、緯度や高度による遠心力の違もある。
これらが合わさって、重力加速度は場所によって異なるのだ。
各地の重力加速度は理科年表に記載されている。
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2008/04/29