ビッグバンとインフレーション宇宙のQ&A
宇宙に始まりはあったの?
宇宙に始まりがあったことを最初に考えた人物はルメートルです。
ルメートルが見つけた重力方程式の解は、宇宙が膨張していることを示していました。
膨張している宇宙を逆にたどると、宇宙全体が一点に集まります。
ルメートルは宇宙がこの一点から始まったと考え、スタートとなった点を宇宙の卵と呼びました。
この考えを発展させた人物がジョージ・ガモフです。宇宙が今も広がっているなら、昔の宇宙はもっと小さかったはずです。
遠ざかる銀河を逆にたどれば、はるか昔に宇宙は一点であったことになるでしょう。
宇宙はたったの一点から始まり、膨張を続け今のサイズになったと考えました。
ガモフは原子物理学にも詳しかったことから、宇宙誕生の初期に元素が生まれたという説を提案しました。
初期の宇宙は高温高圧だったため、陽子や中性子が単独で存在する世界でした。
膨張に伴って宇宙の温度が下がり、水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウムと元素が生まれていったと考えたのです。
ルメートルは、宇宙の卵は高温だったとは思いませんでしたが、ガモフは宇宙の初期は高温高圧だったと考えたのです。
ジョージ・ガモフはこれを火の玉宇宙論と命名しましたが、後にビッグバン宇宙論と呼ばれるようになりました。
ビッグバンは大爆発という意味で、宇宙の膨張開始を大爆発に例えています。
ビッグバンから現在までの時間が宇宙の年令に相当します。
ガモフは初期の宇宙は中性子ばかりの世界であると考え、これをイーレムと名付けました。
ビッグバン直後に中性子が崩壊して陽子や電子が生まれ、それらが結びついてあらゆる元素が誕生したと考えたのです。
現在、この元素合成の仮説は誤りであったことが分かっています。
では、宇宙の誕生以前には何があったのでしょうか?
宇宙の誕生以前には時間も空間もありませんでした。
時間や空間は、宇宙の誕生と同時に生まれたのです。
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参考文献・サイト
Black Holes FAQ
Q & A: Black Holes
2012/07/31