火星の磁場を語る。
地球は磁場を持つ。
地球の中央部にある鉄の外コアは、流動体である。
このため地球は自転によって発電機の働きを持つ。
これをダイナモ効果という。
ダイナモ効果によって、地球に磁場が生じているのだ。
46億年前、太陽系が誕生した。
初期の太陽系は微惑星で混み合っていたが、微惑星は互いにぶつかり合って合体し、惑星へと成長していく。
微惑星の衝突によって高熱が生じるため、惑星の表面も内部もドロドロの溶岩で満たされる。
誕生初期の惑星は、流動体の火の玉なのだ。
このため、重い鉄は中心へと沈みコアを形成する。
ケイ素などの軽い元素は浮上する。
やがて微惑星の衝突が終わると、熱が供給されないので惑星の熱は少しずつ宇宙空間へと放射されていく。
地球は、表層の熱を失ったが、地下深くはまだ冷え切っていない。
地球誕生のときの余熱がまだ残っているため、地下の温度は高くコアは流動体のままだ。
これがダイナモ効果の原因となっている。
火星は小型サイズのため、早々と誕生時の熱を失い、中心部までかなり冷えている。
現在の火星のコアは一部流動体であるようだが、ダイナモ効果を起こすほど大量ではない。
このため、現在の火星には磁場は存在しないのだ。
ところが、過去に火星が持っていた磁場の記録が火星の地殻に残っている。
磁化していない鉄を磁場中に置いておくと、その鉄もいつの間にか磁気を帯び磁石になってしまう。
これと同じ現象が地殻でも起きるのだ。
かつての火星の磁場が火星の地殻に磁気を帯びさせた。
火星は磁場を失ったが、地殻にはまだ磁気が残っているのだ。
地殻に残った磁気の方向は、場所によりマチマチであることから、地殻が少しずつ移動したことが伺える。
つまり、火星の内部がまだ十分に熱かったころ、火星にもプレートテクトニクスがあったということになる。
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参考文献・サイト
NASA:New Map Provides More Evidence Mars Once Like Earth
2007/05/19