火星の凍った湖を語る。
ESAの火星探査機マーズエクスプレスが火星表面に湖を捉えた。
コチコチに凍った湖である。
この湖はクレーターの底にある。
出展:ESA Water ice in crater at Martian north pole
クレーターの直径は35km、周囲の壁の高さは2kmだ。
北緯70.5度に位置する。
この湖は水の氷であって、極冠にあるようなドライアイスではない。
ESAの解説によると、この写真は本来の色を再現しているが、高さ方向の形状は3倍に誇張している。
富士山など高山では、沸点が低くなる。
気圧が低いために、水は100℃に以下の温度で沸騰してしまうのだ。
気圧が低ければ、沸点はさらに低くなる。
極端に気圧が低いと、沸点は凝固点と一致する。
このような環境では、水は液体として存在できない。
氷から直接水蒸気へと変化する。
これが昇華だ。
火星は気圧が低く、低温なため、液体の水は存在できない。
(少量ながら液体の水が存在しているという説もある)
季節変動にともない、水は氷と水蒸気の間を直接変化する。
極冠などがこの例だ。
この湖は、コンディションが整っているため、通年で氷のままであり、昇華しないのだ。
画面右側のクレータの内側にも薄い氷が確認できる。
一方で左の壁面には氷がない。
左の壁面には太陽光が当たるからだ。
次の写真は3Dとなっている。
左右でフィルターの色が違う「ステレオめがね」を使用すると、画像が立体視できる。
「ステレオめがね」は一部の100円ショップなどで購入できるようだ。
出展:ESA Water ice in crater at Martian north pole
ESA Water on Mars
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参考文献・サイト
ESA Water ice in crater at Martian north pole
2007/05/19