ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

マーズ・エクスプレスを語る。

マーズ・エクスプレスとは

マーズ・エクスプレスは、ESAが運用する火星探査機である。
2003年6月2日にバイコヌール宇宙基地からソユーズロケットによって打ち上げられ、2003年12月25日に火星の周回軌道に到達した。以来10年以上に渡って運用が続いている。



マーズ・エクスプレスは、ESAにとって初の惑星探査ミッションであり、火星を周回しながら詳細な火星の地図や鉱物の分布図の作成を狙っている。
金星探査機ビーナス・エクスプレス彗星探査機ロゼッタと部品の共通化が図られている。



周回軌道投入の直前に、マーズ・エクスプレス本体から小型探査機ビーグル2を分離し火星表面に着陸させる計画であったが、火星表面への降下後に消息を絶った。

マーズ・エクスプレスの観測機器

マーズ・エクスプレスには7つの観測機器が搭載されている。



HRSC

マーズ・エクスプレスに搭載された高解像度カメラがHRSCだ。
最大2メールまでの解像度を持つ。
3Dの撮影も可能な優れものだ。
High Resolution Stereo Cameraの略である。



OMEGA

火星表面の可視光赤外線の反射を調べ、鉱物の組成の地図を作成する。
同時に火星の大気の成分も測定する。



SPICAM

SPICAMは火星大気の成分を調べるセンサーだ。
成分ごとに吸収する光の波長が異なる性質を利用する。
紫外線が吸収されればオゾン、赤外線が吸収されれば水蒸気だ。



PFS

火星の大気が吸収する太陽光を測定し、大気の組成を調査する。
垂直方向の気圧や温度も測定する。
PFSはPlanetary Fourier Spectrometerの略である。



ASPERA

ASPERAは太陽風火星の大気に作用する様子を調査する。
これにより、火星大気内の分子やイオンがどのように宇宙空間に逃げていくかが観測可能だ。



MaRS

電波を放ち、その反射を測定することによって、電離層、大気圏、地表、内部構造を調査する。



MARSIS

MARSISは地表下数キロメートルの構造を調査する。
地表に向けて放たれた電波の大部分は地表で反射するが一部は地下に入る。
地下に入った電波は、氷や水に当たると反射する。
これをモニターすることで地下の様子を探るのだ。



マーズ・エクスプレスの動力

太陽電池パネル

マーズ・エクスプレスには強力な太陽電池パネルが搭載されている。 火星が最も太陽から離れた場所にいても、太陽電池パネルは650ワットの電力の生成が可能だ。 マーズ・エクスプレスが必要とする電力は500ワットなので、100ワット以上の余力がある。



マーズ・エクスプレスが火星の影に入ったときは、太陽電池パネルでは電力を生成できない。 そのためリチウム-イオン電池に余剰の電力を貯めておくのである。

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参考文献・サイト

ESA:Mras Express

2010/10/19
2015/05/07



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