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バイコヌール宇宙基地を語る。

バイコヌール宇宙基地とは

バイコヌール宇宙基地は、モスクワから約2100キロメートル南東に位置するロシアのロケット打ち上げの施設である。

バイコヌール宇宙基地
バイコヌール宇宙基地
出展:Wikimedia Commons


米国ケープ・カナベラル空軍基地と並んで、世界最大規模の打ち上げ基地でもある。

15機の発射台、11か所の組立工場、総延長470kmの輸送用鉄道線路を持つ。



バイコヌール宇宙基地の歴史は古く、建設開始は旧ソビエト時代の1955年に遡る。

人類初の人工衛星スプートニク1号(1957年10月4日)、人類初の有人宇宙船ボストーク1号(1961年4月12日:ガガーリン氏が搭乗)を打ち上げた施設としても知られている。



旧ソビエト崩壊後、この地はカザフスタン共和国の属したが、現在バイコヌール宇宙基地はロシア宇宙庁に管轄されている。



元々、軍事衛星を主に打ち上げてきたが、1996年以降、民間通信衛星(インマルサット、イリジウム、グローバルスター、パンナムサット)の打ち上げも増加した。
国際宇宙ステーション[ISS]へのクルー・物資・器材の輸送機はバイコヌール宇宙基地から打ち上げられている。



プロトン、ロコット、ソユーズ、モルニア、ツィクロン、ゼニット等のロケットを打上げる能力を持つ。



ボストチヌイ宇宙基地が完成すれば、ロシアは2020年でバイコヌール宇宙基地を廃止する計画である。



1990年12月2日、TBSテレビの特別番組の企画で同社社員の秋山豊寛氏が日本人として初めて宇宙に出た。
このとき秋山氏が搭乗したソユーズはバイコヌール宇宙基地から打ち上げられている。




バイコヌール宇宙基地の地理

バイコヌール宇宙基地はアラル海の東にある。
バイコヌール宇宙基地の年間の平均気温は13度であり、世界各地の宇宙基地の中でもかなり寒い地域に分類される。



なお、「バイコヌール」とはカザフ語で「褐色の富」を意味している。
この地が銅を産出するからだという。



バイコヌール宇宙基地は軍事施設

バイコヌール宇宙基地は軍事施設としてスタートした。
バイコヌールと命名されているが、実際のバイコヌールから約500キロメートル離れたチュラタムにある。
これは、西側の情報機関に対し、実際の場所を隠すためである。



基地の建設に携わる作業員は、極めて短期間に交替した。
細分化された作業を短い期間だけ行うので、作業員は、自分が何を建設しているのかまったくわからなかった。



当時、基地は地図にも記載されず、職員の郵便物はモスクワ郵便局の私書箱宛てに届けられた。



バイコヌール宇宙基地の周辺地図

Google mapによるバイコヌールの周辺地図。

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参考文献・サイト

マシュー・ブレジンスキー(著), 野中香方子(訳)『レッドムーン・ショック』日本放送出版協会,2009
JAXA:バイコヌール射場
RussianSpaceWeb.com
Baikonur Cosmodrome

2009/05/04
2009/12/26
2011/01/23



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