赤経と赤緯(赤道座標)を語る。
赤道座標とは
地球上の位置を示すために、経度と緯度が設定されている。
同様に天球上の位置を示すために、天球上にも経度と緯度が設定されている。
これらを赤経、赤緯という。
赤経、赤緯で表現した座標が赤道座標だ。
赤緯とは
地球の緯度が赤道を0度にしているように、赤緯は天の赤道を0度にしている。
赤経とは
赤経は、春分点と基準にしている。
そして、「度」ではなく「時・分・秒」で位置を示す。
時角
時角は「時・分・秒」で表した角度です。 時角は、子午線を基準(0時)として西に向かって測ります。 ある天体が南中していれば時角は0時、真西にあれば時角は6時、真東にあれば時角は18時となります。 地面の真下にあれば、12時です。
これは、時刻の話ではなく角度の話です。 時角は天体の動きとは無関係に決められているので、(かえって不便ですが)飛行機や建築物が「時角3時の方向にある」と言ってもかまいません。
恒星時
日常生活のために、太陽の動きを基準とした時刻体系が作られました。 これが、太陽時です。 太陽が南中してから、次に南中するまでが太陽時に基づいた一日間(太陽日)です。
一方で、 天文学のために、春分点の動きを基準とした時刻体系が作られました。 これが恒星時です。 春分点が南中してから、次に南中するまでが恒星時に基づいた一日間(恒星日)です。
太陽の位置を見れば、おおよその時刻(太陽時)が分かります。
同じように、恒星時を考案した人々は、 春分点の位置を見ただけで、そのときの時刻(恒星時)が分かるようにしたいと思 いました。 そこで、「ある時点の恒星時(時刻)は、そのときの春分点の時角(角度)で表現す る」と決めました。
星空を観測したら、春分点が時角4時(の角度)にあったとします。 このとき、恒星時は4時(という時刻)になります。
春分点が真東に来れば、春分点は時角18時(の角度)にいることになります。 このとき、恒星時は18時(という時刻)になります。
時角は本来、角度の単位ですが、春分点の時角に限り、恒星時(時刻)も表現する ようにしたのです。
恒星時と赤経の関係
さらに便利になるように、天球上に恒星時を示すメモリを刻むことにしました。
春分点が時角1時のとき(恒星時1時)、北極・天頂・南極を結ぶ半円のラインを天 球上に刻み、これを「赤経1時」と命名しました。
春分点が時角2時のとき(恒星時2時)、北極・天頂・南極を結ぶ半円のラインを天 球上に刻み、これを「赤経2時」と命名しました。
このような作業を恒星時1時間ごとに行っていくと、北極・天頂・南極を結ぶ半 円のラインが24本刻まれることなります。 これらのラインは「赤経0時」から「赤経24時」と命名された天球上のメモリです。
半円のラインは、天球に刻まれているため、恒星や春分点とともに動き、1恒星 日で1回転します。
こうすると、春分点の時角を測らなくても、春分点が地平線下にあっても、子午 線上にある(南中している)半円のラインが、赤経で何番目かが分かれば、恒星時 が分かります。
赤経12時のラインが南中していれば、そのときの恒星時は12時になります。 このような赤経のラインは、星図や星座早見盤にも書かれています。
春分点が南中しているとき、恒星時は0時です。 時角0時(角度)なので、恒星時は0時になります。
時間が経過し、春分点が西へ動き、時角1時(角度)に来ると、恒星時は1時(時刻) です。 このとき、南中しているラインは、赤経1時です。 春分点が西へ動いた結果、春分点の東側にある赤経1時のラインが南中したこと になります。
春分点がさらに西へ動き時角2時(角度)に来ると、春分点のさらに東側にある赤 経2時のラインが南中します。
このことから分かるように、赤経は春分点から東へ向かって刻まれているのです。
時角は、子午線から西へ向かって測いますが、
赤経は、春分点から東へ向かって測っています。
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参考文献・サイト
2009/01/14