クォークを語る。
クォークとは
中性子や陽子を構成する素粒子をクォークという。
中性子、陽子は3つのクォークでできている。
物質の最小単位は原子であり、それ以下には分割できないと考えられていた。
各種原子の組み合わせによって物質が作られている。
原子の組み合わせが変わる変化が、化学変化である。
やがて研究が進むと、原子が分割できることが判明した。
原子は、原子核とそれを取り囲む電子から作られている。
さらに原子核は陽子と中性子が集合しているのである。
今度は、陽子や中性子が物質の最小単位だと考えられたが、実はそうでなかった。
陽子や中性子を構成するクォークが発見されたのである。
クォークの分類
原子に水素原子や酸素原子があるように、クォークにも種類がある。
例えば、陽子や中性子を作るクォークは、アップクォーク(u)とダウンクォーク(d)だ。
陽子は2個のアップクォーク(u)、1個のダウンクォーク(d)の計3個のクォークで作られている。
中性子も計3個のクォークでできているが、アップクォーク(u)が1個、ダウンクォーク(d)が2個だ。
クォークの組み合わせが変われば、できる粒子も違ってくるのである。
アップクォーク(u)、ダウンクォーク(d)以外にもクォークがある。
クォークは全部で6種類だ。
原子は規則に従ってまとめたものが周期表だ。
同様にクォークも系統的に次のような表にまとめることができる。
世代 | 電荷(+2/3) | 電荷(-1/3) |
第1世代 | アップクォーク | ダウンクォーク |
第2世代 | チャームクォーク | ストレンジクォーク |
第3世代 | トップクォーク | ボトムクォーク |
元素の表といえば周期表だ。
しかし、「クォークの表」には、コレと言った名前はない。
フレーバー
種類と書いたが、クォークの物理学の世界では、フレーバーという。
フレーバーとは「香り」という意味だ。
クォークのフレーバーは、次の6つである。
- アップクォーク(u)
- ダウンクォーク(d)
- チャームクォーク(c)
- ストレンジクォーク(s)
- トップクォーク(t)
- ボトムクォーク(b)
クォークの世代
6つのフレーバーは、2つずつペアとなっている。
このペアを世代という。
6種類のフレーバーが、2種類ごとの世代を作るので、クォークには3つの世代が存在することになる。
陽子や中性子を作るアップクォーク(u)、ダウンクォーク(d)は、ともに第一世代のクォークである。
クォークの電荷
クォークは電荷を帯びている。
クォークの電荷は二種類で(+2/3)と(-1/3)しかない。
アップクォークが2個あれば、電荷は(+2/3)の2倍で(+4/3)になる。
これに、(-1/3)の電荷のダウンクォークが加わると、全体の電荷は(+4/3-1/3)で+1になる。
このため、陽子の電荷は+1になる。
中性子は、2個のダウンクォークで電荷は(-2/3)になる。
これにアップクォークが加わるので、全体の電荷はゼロだ。
つまり、中性子は電荷を持たないのである。
反粒子と反クォーク
電子の電荷はマイナスだ。
ところが、まれにプラスの電荷を持つ電子が存在する。
プラス電荷の電子を陽電子という。
陽電子は電荷の符号が反対であるだけで、質量などその他の性質は同一である。
電子に対する陽電子のように、電荷の符号だけが反対となる粒子を反粒子という。
陽電子は、電子の反粒子なのだ。
プラス電荷を持つ陽子の反粒子は、マイナス電荷の反陽子だ。
電気的に中性の中性子にも、反粒子がある。
反クォーク
クォークにも反粒子がある。
クォークの反粒子を反クォークという。
クォークは6つのフレーバーがあるので、反クォークも6つだ。
アップクォークの反クォークは、反アップクォークである。
ハドロン
クォークからできる粒子をハドロンと総称する。
陽子や中性子は典型的なハドロンだ。
ハドロンのうち、3個のクォークで作られる粒子をバリオン、2個のクォークで作られる粒子をメソンという。
陽子、中性子はどちらも3個のクォークでできているので、これらはバリオンである。
バリオン
3個のクォークで作られる粒子がバリオンだ。
バリオンには、次のような粒子がある。
- 陽子
- 中性子
- ラムダ粒子
- オメガ粒子
- シグマ粒子
- グザイ粒子
中性子と陽子以外のバリオンは、一般に聞かない。
これらは、みな不安定ですぐに崩壊してしまう。
だから、物質を作ることができないのだ。
バリオン
2個のクォークで作られる粒子がメソンである。
クォークは、通常のクォークと反クォークのペアでなければならない。
例えば、パイ中間子はアップクォークと反ダウンクォークで作られている。
クォーク星
クォーク星の存在が理論的に予測されている。
超新星爆発によって誕生し、中性子星より重くブラックホールより軽い。
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参考文献・サイト
2009/02/07