クォーク星を語る。
クォーク星とは
中性子のカタマリである天体を中性子星と呼ぶように、クォークのカタマリである天体をクォーク星という。
クォーク星は、理論的に予測されている天体ではあるが、実在は未確認である。
ただし、RX J1856.3-3754(みなみのかんむり座)と3C58(カシオペヤ座)がクォーク星の候補になっている。
クォーク星の特色
原子核は中性子、陽子から構成されている。
中性子、陽子が根本の素粒子だと思われていたが、実はそうではない。
クォークという素粒子が3個一組になって、中性子や陽子を形作っているのである。
恒星の末路は、白色矮星、中性子星、ブラックホールの3種類がある。
恒星がどの末路を選ぶかは、その恒星の質量によって決まる。
質量 | 末路 |
太陽の約8倍以下 | 外層のガスを逸散し白色矮星になる |
太陽の8〜10倍 | 超新星爆発を起し中性子星になる |
太陽の10倍以上 | 超新星爆発を起しブラックホールになる |
この3つに加えて、さらにクォーク星が存在するのではないかと、理論的に予測されている。
電子や中性子は接近すると、お互いに退けあおうとする。
この作用を縮退圧という。
中性子星は、重力で縮まろうとする効果と、中性子同士が退けあおうとする縮退圧がバランスして形を保っている。
クォーク星はクォークの縮退圧によって、星の形を維持しているのだ。
クォークの縮退圧に絶えられないと、重力が勝って収縮しブラックホールへと移行する。
クォーク星は中性子星とブラックホールの中間と考えられている。
太陽の1.5〜1.8倍の質量を持つ中性子星は、自重に耐えかねて爆発を起こす。
これをクォーク・ノバ(クォーク新星)という。
クォーク・ノバを起こした中性子星が縮んでクォーク星になるのである。
クォーク・ノバが放出するエネルギーは膨大なものになる。
ガンマ線バーストの正体は分かっていない。
クォーク・ノバがガンマ線バーストの正体ではないかと考えられている。
クォーク星の候補
3C58
カシオペヤ座にあるクォーク星の候補である。
太陽系から1万光年の距離にある。
RX J1856.5-3754
みなみのかんむり座にあるクォーク星の候補である。
太陽系から400光年の距離にある。
XTE J1739-285
へびつかい座にあるクォーク星の候補である。
太陽系から3万9000光年の距離にある。
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参考文献・サイト
Cosmic X-rays May Reveal New Form of Matter
Astronomy Picture of the Day
2008/02/01