ルナ・オービター計画を語る。
ルナ・オービター計画とは
ルナ・オービター計画とは、米国が1966年から1967年にかけて実施した月探査計画である。
5機の無人探査機を順次月に送り、月全体の99%を撮影した。
特に最初の3機はアポロの着陸候補地(20地点)を重点的に撮影した。
後の2機は極軌道に近い軌道を通り月面全体の地図作りを目的にしている。
5機の探査機は直径1.5メートル、高さ2メートル、質量(重さ)390キログラムですべて同じ形である。
電力は太陽電池を利用した。
5機のルナ・オービターは、すべてアトラス-アジェナDで打ち上げられている。
5機のルナ・オービターは、すべて月を回る人工衛星となって探査をしたが、ミッション完了と同時に月面へ落下させた。
ルナ・オービター計画では1億6300万ドルが投入された。
ミッション
ルナ・オービター1号
ルナ・オービター1号は1966年8月10日に打ち上げられた。
35日間のミッションで 413枚の画像が撮影された。
初めて、地球の全体を一枚の写真に撮影したミッションがルナ・オービター1号である。
月の地平線から地球が昇る「地球の出」も撮影した。
ルナ・オービター2号
ルナ・オービター2号は1966年11月6日に打ち上げられた。
サーベイヤー計画、アポロ計画の着陸候補地となる平地を撮影した。
ルナ・オービター3号
ルナ・オービター3号は1967年2月5日に打ち上げられた。
2月15日から23日にかけて月面を撮影したものの、フィルムを読み取る装置が故障したため、画像のうち25%が送信できなかった。
それでも、中解像度で149枚、高解像度で477枚が地球に送信された。
ルナ・オービター4号
ルナ・オービター4号は1967年5月4日に打ち上げられた。
ルナ・オービター1号から3号のミッションの成功で、アポロ計画での着陸候補地の撮影は完了した。
このため、ルナ・オービター4号からミッションの目的を月全体の地形、重力場の調査に拡大した。
199枚の画像が撮影され、月の表側すべてと、月の裏側の95%がカバーされた。
ルナ・オービター5号
ルナ・オービター計画のラストがルナ・オービター5号だ。
1967年8月1日に打ち上げられ、月を69周する間に174枚を撮影した。
月の裏側も残りの部分が撮影された。
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参考文献・サイト
JPL:THE LUNAR ORBITER PROGRAM
NASA:Lunar Orbiter (1966 - 1967)
Lunar and Planetary Institute
2010/10/30