RACを語る。
RAC
出展:Phoenix Mission
火星着陸後に使用されるフェニックスの撮影器材は、SSIとRobotic Arm Camera[RAC]である。
RACとはRA先端のスコップ近くに取り付けられた小型のカメラのことだ。
RAと同様にマーズ・サーベイヤー2001ランダーから引き継いでいる。
RACはレンズとCCDを組み合わせたカメラである。
基本的な仕組みは、一般向けのデジカメと変わりはない。
青、緑、赤の光源を複数装備しているため、撮影対象に応じた光で照明することができる。
RACのピントは、11mmの至近距離から無限遠までモーターによって調節する。
ダストによる汚れを防ぐために、レンズカバーも付いていて、自動で開閉する。
RACの用途は4つある。
まず、RAの方向を変えることによって、着陸地点周辺の地表の様子を接近撮影することだ。
RAの方向は4軸で制御される。
このため、フェニックスの周囲の地表はくまなく撮影することが可能である。
次の用途は地表下の状況を撮影することである。
RAが地表を掘り進むにつれ、変化する土壌の様子がカメラが克明に捉えることだろう。
用途の3番目は、サンプリングするポイントを見出すことである。
土壌の成分分析は納得の結果を得るまで何回でも繰り返すわけにはいかない。
MECAは4回、TEGAは8回のまでの実験しかできないからだ。
サンプリングするポイントの選定は、慎重に行われることになる。
最後の用途は、採取したサンプルを直接観察することである。
これによって、 MECA、TEGAに投入する直前のサンプルを確認することができるのである。
MECA、TEGAによる実験結果とサンプルの映像を勘案することによって、より精度の高い土壌の分析が可能になるのである。
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参考文献・サイト
NASA Phoenix Mars Mission
Planetary Chemical Analysis Laboratory
LPL
2007/05/22