無重力の宇宙で、なぜ星に重さがある?
無重力の宇宙で重い星とは?
宇宙の図鑑などでは「太陽の重さは地球の33万倍」という説明があります。
太陽も地球も無重力の宇宙に浮かんでいるはずなのに、なぜ重さの違いがあるのでしょうか?
月の上では、体重が6分の1になります。体重60キログラムの宇宙飛行士は月では10キログラムになってしまうのです。
月の上でピョンピョン跳ねる宇宙飛行士の映像を見ていると本当に体重が減っていることがわかります。
月に行くと骨や筋肉が減るのでしょうか?そんなことはありません。
宇宙飛行士の体の骨や筋肉は元のままです。
地球でも月でも地面近くの物体は地面に向けて引っ張られます。
この力が重力です。骨や筋肉は元のまま変わらないのに重力が6分の1になったので、体重もこれにあわせて6分の1に減ったのです。
重力で変化する重量、無関係な質量
ここで注意したいのは、宇宙飛行士の体の元々の量です。元々の量(骨や筋肉の量)は月でも地球でも変わっていません。
元々の量は重力とは無関係に、いつも一定なのです。
この元々の量を質量と呼びます。一方で、重力の影響で変化する量が重量です。
一般に重さと言ったら重量のことです。
宇宙空間は無重力なので重量はゼロですが、質量は引力があってもなくても変化はしません。
宇宙飛行士の質量は変わりませんが、重力が変わったので重量(重さ)が減ったのです。
60キログラムは質量であって重量ではありません。
ですから、月の上でも質量は60キログラムのままです。
10キログラムになったように見えるのは、重力が6分の1になったからです。
太陽は地球の33万倍の重さではなく、33万倍の質量なのです。
図鑑に載っている星の重さとは質量のことなのです。
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参考文献・サイト
2012/08/08
2016/04/10