ブラックホールのQ&A
ブラックホールの大きさは?
ブラックホールは重力が強いので巨大なイメージがありますが、そうではありません。
理論的には小さな領域に物質が極限までギュウギュウに詰まればブラックホールになりえるのですから、サイズに制限はありません。
いくらでも巨大なブラックホールはあり得るし、反対にミクロサイズのブラックホールも想定可能です。
ただし、これらは理論上の話であって、この自然界に存在しているかどうかは別です。
ここからは自然界に実在するブラックホールの話をしましょう。
ブラックホールに近づきすぎると、もう引き返すことのできない限界があります。これが事象の地平面です。
事象の地平面を超えてブラックホールに入った宇宙船は、どんなに高性能であったとしても二度と出てくることはできません。
ブラックホールの中心(特異点)から事象の地平面までの距離をシュバルツシルト半径といいます。
ブラックホールの大きさは、シュバルツシルト半径で表現します。
太陽質量の10倍のブラックホールであっても、そのシュバルツシルト半径は約30キロメートルしかありません。ブラックホールは意外と小さいことが分かります。
銀河の中心には巨大なブラックホールが潜んでいると考えられており、その質量は太陽の数百万倍です。
このクラスのブラックホールになるとのシュバルツシルト半径はさすがに大きく300万キロメートルに及びます。
ところで太陽の半径が約70万キロメートルであることを考えると、銀河中心の巨大質量ブラックホールのシュバルツシルト半径は太陽のたった約4倍にすぎません。
ブラックホールがいかにコンパクトなのか、言い換えるといかに狭い領域に物質が集中しているかが分かります。
巨大なブラックホールはサイズが巨大なのではなく、質量が巨大なのです。
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参考文献・サイト
Black Holes FAQ
Q & A: Black Holes
2012/07/31