地球照を語る。
地球照とは
地球からの反射
三日月のころ、月の欠けた部分が薄暗く見えることがある。
この現象が地球照だ。
欠けた部分は太陽光が当たらないので、本当なら暗いはずである。
地球照は、地球で反射された太陽光が月にあたるために見える現象だ。
地球からの照り返しであるため、地球照という。
地球照
出展:ESO:VLT Rediscovers Life on Earth
英語圏では地球照を「新しい月に抱かれた古い月(the old moon in the new moon's arms )」と表現するらしい。
地球照:新しい月に抱かれた古い月
出展:Astronomy Picture of the Day
地球からの照り返しはそんなに強いのか?
地球照に照らされた月面に立てば、周囲は薄明るいはずだ。
欠けた部分には太陽光が届かないものの、地球照があるので真っ暗ではない。
それほど地球照は強いのだ。
月が満ち欠けするように、月面から見る地球も満ち欠けする。
三日月のころ月から見る地球は、ほぼ"満地球"だ。
(満地球という言葉はないが、便宜上"満地球"と書く)
月から見る"満地球"は、地球から見る満月の約70倍も明るいのだ。
月は岩石だらけなので反射率は7%であるが、これに対し地球の反射率は30%を超えている。
地球には海や雲があるからだ。
さらに月から見る月の直径は約3.7倍もある。
このような"満地球"の照り返しで地球照が明るく見えるのだ。
地球外生命探査の鍵が地球照の中に?
ヨーロッパ南天天文台が南米チリに設置した超大型望遠鏡(VLT)を使用して、地球照を分析し有機生命体の痕跡を探す研究を行った。
今のところ、地球は生命が存在する唯一の天体である。
地球照(地球の光)から有機生命体の痕跡を検出する技術があれば、太陽系外惑星での地球外生命探査に応用できる。
太陽系外惑星からの光の分析で、有機生命体の兆候が発見できるからである。
スポンサーリンク
参考文献・サイト
Earthshine
VLT Rediscovers Life on Earth
2015/09/28