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火星隕石(SNC隕石)を語る。

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火星隕石(SNC隕石)とは

火星から来たSNC隕石

シャーゴッティー隕石、ナクラ隕石、シャシニー隕石は化学的な特色や同位体比が似ていることから同じ起源と考えられ、頭文字からSNC隕石と呼ばれるようになった。



隕石の多くは太陽系の誕生初期に生まれたものである。
ところが、SNC隕石の起源は太陽系よりも新しいため、太陽系誕生から長い年月を経たのちに、火山活動のある母天体に由来すると考えられるようになった。



1970年代のバイキングによる火星探査では、火星の大気が分析された。
これとSNC隕石に含まれていた気体の成分が同一であったことからSNC隕石の起源が火星であることが判明した。



SNC隕石にはマスケナイトという鉱物が含まれている。
マスケナイトは強い衝撃を受けたときに生じる。つまり、SNC隕石も衝撃を経験したことになる。
このことから、火星に巨大な隕石が落下して、その衝撃で火星から放出された物質がSNC隕石と考えられている。



現在までに数万個の隕石が回収されているが、その中でSNC隕石は120個程度である。
SNC隕石は珍しいのだ。



SNC隕石の起源への疑問

巨大隕石落下によって、SNC隕石が火星から放出されたなら、そのときの巨大クレーターが火星に残っているはずだ。
ところが、2〜13億年前に生成された大型クレーターは火星上で見つかっていない。

このことから、SNC隕石が火星由来であることに懐疑的な考えもある。



ALH 84001

火星由来の隕石のなかで、もっとも話題となったのが(もっともお騒がせなのが)ALH 84001であろう。
1996年、NASAがALH 84001の中に火星起源の生命の痕跡らしき物質を発見したと報告した。
現在までのところ、真偽は分かっていない。




命名の元になった隕石

すでに述べたように、SNC隕石はシャーゴッティー隕石、ナクラ隕石、シャシニー隕石の頭文字から命名された。
シャシニー、ナクラ、シャーゴッティーは隕石が落下した地名である。

記号場所国名発見年
Sシャーゴッティインド1865年8月25日
Nナクラエジプト1911年6月28日
Cシャシニーフランス1815年10月3日

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参考文献・サイト

JPL:Mars Meteorites
平塚市博物館

2015/05/25



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