ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

隕石を語る。

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隕石とは

地球外から来た小さな天体が地上に落下したものを隕石という。
宇宙空間の小天体が地球の大気圏に突入すると、加熱され燃えてしまう(気化する)が、元々の物体が大きいと燃え尽きることなく地上に達する。
これが隕石である。



隕石の主成分は金属鉄とケイ酸塩鉱物である。
金属鉄とケイ酸塩鉱物の比率によって、隕石は3種類に分かれる。


種類比率
鉄隕石鉄が多い
石鉄隕石鉄とケイ酸塩鉱物がほぼ同量
石質隕石コンドライトケイ酸塩鉱物が多い
コンドリュールを含む。
エイコンドライトケイ酸塩鉱物が多い
コンドリュールを含まない。



コンドルール

地上に落下する隕石の大部分には、球形の物質が含まれている。
この物質をコンドルールという。



コンドルールは、宇宙空間で岩石や金属が一度融けた後、急激に冷却され固化した粒子である。
石質隕石には、このコンドリュールを含むものと、含まないものがある。
コンドルールを含む石質隕石をコンドライト、含まない石質隕石をエイコンドライトと呼ぶ。



コンドリュールは一度とけた物質なので、相当の熱源がなければならない。
しかし、この熱源が分かっていないため、コンドリュールが、どのようなプロセスで生まれたのかは謎のままである。


コンドライト

コンドライトの特徴は、その化学的な成分が太陽大気の元素存在度と似ていることである。
これは、コンドライトが太陽系誕生の時期に作られた物質であり、その後大きな変化を受けることなく現在まで維持されていることを示している。



特に炭素原子を含むものを炭素質コンドライトという。
炭素質コンドライトからは、アミノ酸、脂肪酸が発見される場合もある。




エコンドライト

エコンドライトの中には、ベスタ火星などを起源とするものがある。


SNC隕石

火星を起源にする隕石のグループをSNC隕石という。
現在、までに30個程度が発見されている。
隕石全体で2万個以上が回収されていることと比較すると、SNC隕石が希少であることがわかる。



隕石を分析すると45億年ほどの年月を経ていることがわかる。
このことから、隕石は太陽系の誕生の初期に生まれたということになる。



ところが、SNC隕石は2〜13億年の年月しか経っておらず、非常に若いということが確認されている。
つまり、太陽系誕生後、だいぶ経ってから形成された隕石なのである。
このような隕石は、火山活動が行われた母天体に由来すると解釈できるだろう。



火山活動があった天体は地球の他、金星火星イオである。
SNC隕石に含まれていた気体の成分が、探査機によって得られた火星の大気成分と非常によく一致していたことから、SNC隕石は火星に由来すると断定されたのだ。



SNC隕石にはマスケナイトという鉱物が含まれている。
マスケナイトは強い衝撃を受けたときに生じる。
これは、火星に巨大な隕石が落下し、その衝撃でSNC隕石が火星から放出されたことを示している。



なお、SNC隕石が火星由来であることを否定する主張もある。
巨大隕石落下によって、SNC隕石が火星から放出されたなら、そのときの巨大クレーターが火星に残っているはずだ。
ところが、2〜13億年前に生成された大型クレーターは見つかっていない。
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HED隕石

小惑星ベスタを起源にする隕石のグループをHED隕石という。



HED隕石を分析すると45億年ほどの年月を経ていることがわかる。
このことから、HED隕石は太陽系の誕生後の1億年で冷えた母天体に由来することになる。
1億年で冷える天体は、非常に小さいはずだ。
このため、HED隕石は小惑星のカケラであると判断されている。



HED隕石の反射光には大きな特徴がある。
HED隕石と類似の反射特性を持つ小惑星ベスタだ。



このことから、HED隕石がベスタの破片であると考えられている。



落下隕石と発見隕石

隕石を組成ではなく、回収の状況で区別する方法もある。



隕石は一年間に1000個ほど、落下すると見積もられている。
これらすべてが回収されるわけではない。
砂漠や海洋に落下する隕石もあるので、回収されるケースが少ないだろう。



落下する瞬間が目撃された隕石を落下隕石という。
落下は目撃されなかったが、後で発見された隕石が発見隕石だ。



落下隕石に比べて発見隕石の方が、はるかに多い。





その他の隕石のウンチク

南極隕石

これまでに世界各地で発見された隕石のうち、南極で発見された隕石が70%以上を占めている。
南極では隕石が雪氷上にあるため、他の地域に比較して発見がしやすいのだ。
南極で発見された隕石を南極隕石という。
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国際隕石学会

発見された隕石は国際隕石学会で登録される。
登録されている隕石の情報は公開されており、国際隕石学会のデータベースで検索することができる。




ホバ隕石

現在までに発見された隕石のなかで最大はホバ隕石である。
60トン以上の重さがある。
ホバ・ウエスト・ファームという農場で埋まっていたところを発見された。



8万年以上前に落下した隕石らしい。

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参考文献・サイト

石田ケイ一「宇宙の科学/理科年表読本」丸善,1997
南極隕石ラボラトリー
Solar System Explorasion
Meteoritical Society

2008/05/18
2009/08/09
2015/05/26



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