太陽定数を語る。
太陽定数とは
太陽の放射の基準量を示す定数を太陽定数という。
その値は約1.366kW/m2である。
地球が受け取る単位面積あたりの太陽エネルギーと言い換えてもいいだろう。
太陽定数は、「地球の大気圏外で、太陽に正対する(太陽の真正面を向いた)1平方メートルの面積が、1秒間に太陽から受け取るエネルギー」として定義される。
以前は地表で測定し、「太陽が天頂にある」「大気はない」といった条件を補正して、太陽定数を算出した。
現在では、太陽定数は人工衛星で測定する。
精密な観測によって、太陽定数は太陽活動の周期とともに変動することが判明している。
「変動するのに定数なのか?」といった疑問もあるが、変動量は0.1%程度であることから、実質的に定数として問題はない。
快晴の日に、地表で太陽エネルギーを測定しても、太陽定数には届かない。
条件がよくて、約1kW/m2程度になる。
大気による吸収や散乱があるため、すべてのエネルギーが地表に到達しないからだ。
スペクトル分析によって、太陽の光球表面の温度は約6000度であることが分かっている。
太陽定数を用いても、この結果を追認することができるのだ。
太陽定数が分かると、太陽全体が放射するエネルギーが計算できる。
一方、シュテファン・ボルツマンの法則によると、放射されるエネルギーは絶対温度の4乗に比例する。
太陽全体の放射エネルギーとシュテファン・ボルツマンの法則によると、光球表面の温度は約5800度と算出できる。
約3%の誤差となるが、スペクトル分析と太陽定数でほぼ同一の結果を得ることができるのだ。
スポンサーリンク
参考文献・サイト
2008/12/07