ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

大気圏を語る。

トップページ地球科学・固体地球の目次大気圏

大気圏とは

天体の表面を取り巻く気体の層を大気といい、大気のある領域を大気圏という。
単に大気・大気圏といえば、地球の大気大気圏を示す場合が多い。



大気は引力によって地表に引き付けられている気体の集まりである。
大気の各部は、地球の引力に引かれながら、その下の空気を押さえつけている。
地表付近の大気には、そこよりも高い部分の大気のすべての重さがのしかかることになるのだ。



このため、大気は下の方ほど濃くなり、地表付近の大気が最も高密度になる。
反対に上空に行くほど、大気はだんだんと薄くなる。



大気が地表を押す圧力を大気圧という。




大気圏の層構造

上空に行くほど気温が下がり、気圧が低下する。



このことから、大気圏をさらに上空に向かうと、そのまま気温が下がり、空気も薄くなってだんだんと宇宙になると考えがちになるが実は違う。



高くなるともに、太陽から受ける熱が変化する。
このため大気の電離度が変わる。
さらに、大気の組成や運動も変わる。



これらの影響によって、大気圏内の空気の層は、高度によって性質が異なっている。
種類の違う大気が層となって大気圏を構成しているのである。
これを大気圏の層構造という。



大気圏の各層には、それぞれ名称がある。(下表参照)
外気圏を大気圏に含めない考え方もある。

名称高度特徴・性質
外気圏800km-原子・分子の大部分は電離しているが、密度は極めて小さく相互の衝突は非常に少ない。
熱圏80-800km高度とともに温度が上昇する。
中間圏50-80km高度とともに温度が下降する。
成層圏9/17-50km高度とともに温度が上昇する。
対流圏0-9/17km高度とともに温度が下降する。

大気圏の各層

対流圏

地表から高度約10kmまでの空気の層を対流圏と呼ぶ。
大気圏の中では、最も下層にあたる。

気象現象は対流圏で生じる。
空気中の水蒸気の99%は対流圏内にある。
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成層圏

対流圏のすぐ上で、高度10km〜50kmの範囲が成層圏である。
大気圏の中では、下層から2番目の層である。

対流圏とは違って、成層圏では高度が上昇するに従って温度が上昇する。
太陽からの紫外線の影響を受けるため、成層圏にはオゾン層がある。
成層圏中間圏の境界面を成層圏界面という。
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中間圏

成層圏のすぐ上で、高度50km〜80kmの範囲が中間圏である。
大気圏の中では、下層から3番目の層である。

中間圏では高度が上昇するに従って温度が低下する。
レッドスプライト等の中間圏発光現象が出現する。

中間圏と熱圏の境界面を中間圏界面という。
中間圏界面付近には、夜光雲が出現する場合がある。

流星が発光する高度は中間圏である。
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熱圏

中間圏のすぐ上で、高度80km〜800kmの範囲が熱圏である。
大気圏の中では、下層から4番目の層である。

対流圏や中間圏とは違って、熱圏では高度が上昇するに従って温度が上昇する。

スペースシャトルが飛行する高度は熱圏である。

太陽からの電磁波の影響を受けるため、熱圏には電離層がある。
熱圏外気圏の境界面を熱圏界面という。
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外気圏

熱圏のすぐ上で、高度800km以上の範囲が外気圏である。
大気圏の中では、最も外側の層である。
また、外気圏を大気圏に含めない考えもある。

外気圏は重力の束縛が弱いため、大気を構成するの気体分子や原子が宇宙空間へと流出する。
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大気圏の高さ

大気圏の各層の高度

大気圏の各層の高度

出典:Wikipedia commons




大気圏突入と大気圏再突入

大気圏突入

隕石などが、大気圏に進入することを大気圏突入という。
大気圏突入の速度が速いと、大気の分子との衝突による加熱によって高温になる。
流星はこのようにして発光する。




大気圏再突入

一度大気圏外に出た宇宙船が、再度大気圏に入ることを大気圏再突入という。
大気圏再突入では、大気圏突入と同様に、宇宙船は大気の分子との衝突による加熱で高温にさらされる。
この高温から、搭乗員と機体を保護するために、耐熱タイルなどの加工が施されている。



スペースシャトル コロンビアは、打ち上げ時に耐熱タイルが欠損したまま大気圏に再突入し、高熱のため空中分解した。



使用済みの衛星を、消滅させるために意図的に大気圏再突入させることもある。
ATVHTVなどがこれにあたる。

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参考文献・サイト

Layers of the Atmosphere
Astronomy 161
Earth's Atmosphere

2008/11/24
2009/05/04



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