対流圏を語る。
対流圏とは
地球の表面は空気の層で覆われている。
この空気の層を大気圏という。
大気は高さによって性質が異なるので、大気圏は均一ではない。
このため性質によって以下の5つの層に分類されている。
対流圏の性質
大気圏の最下層が対流圏である。
大気圏の中で、地表に接している層が対流圏である。
つまり、人間は対流圏の中に住んでいることになる。
対流圏は平均10kmの厚みしかないが、大気圏全体の質量の75%を占めている。
これは対流圏の密度が高いからである。
気象現象は対流圏で発生する。
対流圏の厚みは緯度によって異なる。
赤道付近は最も厚く高さ20kmまでが対流圏である。
極では薄く7km程度の厚みしかない。
対流圏の空気は地表からの放射によって温まる。
従って地表に近いほど気温が高く、対流圏内の上空は気温が低くなる。
おおよそ、1km上昇するごとに6.5度Cずつ気温が低下する。
一方で、対流圏の真上の成層圏では、上昇するほど気温が高くなる。
対流圏の最大の特徴は、大気が循環していることである。
この循環によって赤道付近の熱が極地方へ向けて輸送される。
南北それぞれの半球に、ハドレー循環、フェレル循環、極循環がある。
対流圏内の再区分
対流圏は、さらに大気境界層、自由大気に区分される。
大気境界層
対流圏内の最下層を大気境界層という。
地表からの影響を大きく受ける。
おおむね1km以内の厚みを持つ。熱帯域では約2kmに及ぶケースもある。
下層を接地境界層、上層のエクマン境界層と呼ぶ。
■ 接地境界層
地表に接する層の空気の動きは、地表面の摩擦の影響を大きく受けている。
この層を接地境界層という。
摩擦層ともいう。
■ エクマン境界層
接地境界層よりも上空になると地表面の摩擦だけでなく、コリオリ力や気圧傾度力の影響も無視できなくなる。
従って、この層の空気の流れのメカニズムは接地境界層と異なっていることになる。
この部分をエクマン境界層という。
自由大気
大気境界層とは違って、地表面の影響を受けない層を自由大気という。
対流圏界面
成層圏と対流圏との境界を対流圏界面という。
対流圏では、1km上昇するごとに6.5度Cずつ気温が低下する。
ところが、成層圏では高度に伴って温度が上昇する。
高度と気温の関係が逆なのだ。
温度を測りながら上昇し、温度の変化がなくなって、そこからさらに温度が上昇し始めたら、そこが対流圏界面である。
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参考文献・サイト
2008/03/28