中間圏発光現象を語る。
中間圏発光現象とは
地表を取り巻く空気の層を大気圏という。
大気圏は5つの層に区分されており、地表に接しているのが対流圏、その上が成層圏、3番目の層が中間圏である。
中間圏は流星が発光する高度でもある。
巨大な雷雲の影響を受けて、中間圏内の大気が発光する現象がある。
このような現象を中間圏発光現象という。
TLE[Transient Luminous Events]とも呼ばれている。
中間圏発光現象には、レッドスプライト、エルブス、ブルージェットが知られている。
中間圏発光現象の種類
中間圏発光現象にはいくつかの種類がある。
研究が進めば、さらに新しい種類の中間圏発光現象が見つかる可能性もある。
レッドスプライト
レッドスプライトは、雷雲の真上の中間圏で発生する赤い発光現象である。
雷放電が発生すると、数ミリ秒遅れて50キロメートル上空の空気がイオン化される。
イオン化される範囲は、直径10メートルから100メートルの球形になる。
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エルブス
1000分の1秒程度の時間で、ディスク状に発光領域が広がる中間圏発光現象である。
スペースシャトルからの観測によって、1992年に初めて存在が認められた。
雷放電と同時に発光するのではない。
この現象をELVES(エルブス)という。
ELVESとは以下の語の略である。
Emissions of Light and Very Low Frequency Perturbations From Electromagnetic Pulse Sources
エルブスは地表で雷放電が起きている真上で発生する。
雷雲から放たれた電磁波が、電離層に到達して発生するらしい。
電離層は熱圏にある。
「中間圏発光現象」と言いながら、エルブスは熱圏の現象なのである。
ブルージェット
雷雲の上部から上空へ向けて放たれる青く弱い色の光である。
この青い光は、窒素イオン、窒素分子からの放射に起因する。
一般にブルージェットはレッドスプライトよりも明るいが、1秒以下の持続時間しかない。
雷放電と同時に発光するのではない。
以前から航空機のパイロットによる目撃報告があった。
しかし、実在が確認されたのは1989年のスペースシャトルによって撮影されたビデオである。
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参考文献・サイト
NOAA:Transient Luminous Events
National Geographic Society
Sprites and Jets
Red Sprites and Blue Jets
2008/09/01