ALMA電波望遠鏡
標高5000メートルのアタカマ砂漠(チリ)で建設中の80基の電波望遠鏡がALMA(アルマ)です。
ALMAは、日本、台湾、米国、カナダ、ヨーロッパが参加する国際プロジェクトとして運営されています。
宇宙には塵(ちり)が漂っています。
塵は光を吸収するので、背後にある天体を観測することはできません。
銀河系の中心部には塵が多いので、どんなに性能のよい望遠鏡を使っても銀河系の中心を見ることができないのです。
ところが、電波の一種であるミリ波・サブミリ波は塵を通過します。
つまり、ミリ波・サブミリ波を利用すれば、塵の向こうも観測できるのです。
地球の大気中の水蒸気はミリ波、サブミリ波を吸収してしまいます。
そのためミリ波・サブミリ波を使った観測設備は、湿度の少ない場所でなければばりません。
そこで選ばれたのが、世界で最も湿度が低いアタカマ砂漠です。
ALMAでは、80基の電波望遠鏡の画像を合成することによって、直径18キロメートル相当のパラボラアンテナと同じ性能で宇宙を観測します。
著者の石黒正人さんは、日本側プロジェクトリーダーとしてALMAの建設に携わりました。
ALMAによって、遠宇宙の銀河や形成されつつある惑星系の観測が期待されています。
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参考文献・サイト
2009/05/16