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かぐやを語る。

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宇宙航空研究開発機構[JAXA]が2007年8月に打ち上げる月探査機の名が「かぐや」である。

月探査機かぐや
かぐや
出展:JAXA:SELENE

「かぐや」の名称は一般公募で決定したものであり、日本の古典「竹取物語」に登場する「かぐや姫」にちなんでいる。

「かぐや」に決定する以前はセレーネ[SELENE]と呼ばれていた。


このミッションは月面上高度100kmを周回する主衛星かぐやと、かぐやから分離してそれぞれの役割を果たすリレー衛星、VRAD衛星の計3機から構成される。


リレー衛星はRスターと呼称され、月の裏側の主衛星かぐやと地球局との間で電波を中継する。
VRAD衛星は、主衛星、またはリレー衛星との間でVLBIによる測定を実施する。
Vスターと呼称される。


月の起源と進化を解明することが「かぐや」の主要目的であるが、その他にも「月周回軌道への投入」や「軌道姿勢制御」等、今後の太陽系内探査になくてはならない技術の実証も含めている。


1972年にアポロ計画が打ち切られた以降は、各国とも月探査が低調になった。
特に1976年のルナ24号(旧ソビエト)から1990年のひてん(日本)までの14年間は、月探査機は1機も飛んでいない。
ひてん以後も、クレメンタイン(米)、ルナ・プロスペクター(米)、スマート1(欧)が月探査を実施したが、いくつかの制約のため科学的成果は十分とは言えていない。


かぐやには15種類の観測機器が装備されており、アポロ計画以来最大規模の月探査ミッションに相応しい探査機なのだ。
翌年(2008年)NASAが打ち上げる月探査機ルナー・リコナイサンス・オービターの観測機器は7つだ。
このことから、かぐやの装備は非常にリッチであると言える。


蛍光エックス線分光計(XRS)表層物質の元素組成を高い空間分解能で定量的に調査する。
ガンマ線分光計(GRS)月面から放射されるガンマ線を測定し、月面の物質組成を特定する。
マルチバンドイメージャ(MI)可視近赤外域の多色で月面の連続撮像する
スぺクトルプロファイラ(SP)可視近赤外域の分光計で、回折格子を用いて月面からの光を296個の波長に分光する
地形カメラ(TC)高い空間分解能で地形を観測し、3次元の地形データを取得する
月レーダサウンダー(LRS)波長60mの電波をパルスで月面に照射し、地下物質の様子を調査する。
レーザ高度計(LALT)レーザ光を月面に照射し、月面からの反射波が戻るまでの往復時間を測定して衛星と月面間の距離を測定する。
月磁場観測装置(LMAG)月の磁場、プラズマ環境を測定する。
粒子線計測器(CPS)アルファ線、宇宙線の量を測定する。
プラズマ観測装置(PACE)月の周りの電子、太陽風、月周辺のイオンを計測する。
電波科学(RS)月の電離層を調査する。
プラズマイメージャ(UPI)月軌道から、地球の磁気圏、プラズマ圏を観測する。
リレー衛星中継器(RSAT)ドプラ計測で月の裏側の重力場を直接測定する。
衛星電波源(VRAD)相対VLBIで月の裏側の重力場を直接測定する。
高精細映像取得システム(HDTV)220万画素のCCDを使用して高精細な月面の画像を得る。


1990年代の米探査機クレメンタインの探査で、月面での氷の存在が示唆された。
その後の探査でも氷の状況証拠は確認されたものの、氷の存在を示す決定的なデータは得られていない。


将来の月面基地建設や資源確保を視野に入れると、氷の有無の確認は重要な探査課題となっている。
このような背景があるために、月探査を具体的に計画・進行している各国(米、中、印、欧)の関心は、月面での氷発見に集中している。
ところが、JAXAのサイトを見る限り「かぐや」の目的として「氷発見」のトーンは弱い。(2007年6月現在)


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参考文献・サイト

かぐやプロジェクトサイト
かぐや(JAXAメインサイト)
かぐや(宇宙科学研究本部)

2008/10/20
2009/11/19



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